高知でキャンプを行っているJ2アルビレックス新潟は13日、県立春野総合運動公園陸上競技場で練習した。DF舞行龍ジェームズ(31)が最終ラインから高精度のロングフィードで攻撃を活性化させる。

「新潟が目指しているサッカーは大きなチャレンジ」と意気込んだ。今日14日で高知キャンプを打ち上げ、23日の開幕戦へ臨む。

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舞行龍のロングフィードに「いいぞ!」とアルベルト監督(51)が声を出した。キャンプ終盤、アルベルト監督が繰り返す指示は「敵、味方が密集したら遠くを見ること」。ボール回しの練習で舞行龍がそれをプレーで表現した。前日12日の紅白戦でも相手守備陣のサイドに出来たスペースへ効果的な正確なロングフィードを送り、サイドバックを走らせていた。

空いたスペースを狙う自身のスタイルは、昨季途中まで在籍したJ1川崎の中村憲剛(39)、10、11年に在籍した金沢(当時JFL)でチームメートだった久保竜彦(43)の日本代表経験者からの助言も大きく影響している。「細かいパスだけでなく、もっと遠くを見るよう言われていた」。相手の嫌がるスペースを狙うという点は、アルベルト監督が求めることは一致する。「あの時の経験が生かされる」。

プロ13年目、ベテランとしてチームを引っ張る自覚がより一層増した。アップで手を抜く選手には「ちゃんとやろう!」と声を掛け、いいプレーには拍手を送る。「プレー中は立場に関係なく、意見を出し合える雰囲気作りをする。遠慮し合っていてはチームは強くならない。自分が先頭に立つ」とまとめ役を果たすつもり。「新潟が目指しているサッカーは大きなチャレンジ。キックを生かしビルドアップにどんどん絡んでいく。選手同士がお互いの個性を引き出し合えれば、必ずうまくいく」とJ1昇格へ、決意を口にした。【小林忠】