セレッソ大阪が今季初公式戦で松本山雅FCに4発大勝し、好発進した。開始早々に先制されたが、直後に追いつくと後半は活性化した攻撃陣が3点を奪って勝負を決めた。

昨季はリーグ最少失点の堅守で5位も、課題にしていた攻撃が鮮やかに機能。その象徴がJ2モンテディオ山形から新加入のMF坂元達裕(23)で、22日のリーグ開幕戦(対大分トリニータ、ヤンマー)にはずみをつけた。注目の17歳、MF西川潤はベンチ入りも出番はなかった。

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降りしきる雨の中、停滞していたC大阪の攻撃が一気に活性化した。1-1の後半26分、DF丸橋が華麗なミドル弾を突き刺す。PKで加点し、とどめは途中出場のMF清武が鮮やかな連携から4点目を決めた。「たくさんいい選手がいる。途中から出ても、流れを変えられるようにしたい」という主将の言葉が戦力の充実を示していた。

昨季の主力メンバーがベースの中で、新戦力の働きが光った。MF坂元にとって、この試合がJ1公式戦デビュー。ロティーナ監督が「サイドで1対1で仕掛けられる選手」と評したように、右サイドから得意のドリブルで相手DFを引きつけ、チャンスを演出した。ゴールを決めた丸橋が「坂元が前に運べるんで、DFラインが下がってチャンスになる」と話したように早くも存在感を発揮する。

「(J1は)レベルが1段階上がって雰囲気も違う」と初々しく話した坂元だが、「いつも通りやれたかな。自分の長所はドリブル。1枚、相手(DF)をはがしてバランスを崩してチャンスを作る。そこはやっていきたい」と役割を受け止める。昨季リーグ最少の29失点も、39得点は12位。明確な課題の攻撃で、坂元がプラスをもたらす。

同じポジションを注目のMF西川も狙う。坂元は「常にインパクトを残すプレーをしないと、レベルの高い舞台では生き残れない。失敗したら終わりぐらいの気持ちでやっている」。隠さないハングリーさも、C大阪に変化をもたらす。【実藤健一】

◆坂元達裕(さかもと・たつひろ)1996年(平8)10月22日、東京都生まれ。中学時代は東京の下部組織で育ち、前橋育英では3年時に高校選手権準優勝。東洋大をへて昨年度、山形に入団。J2で42試合7得点。今季からC大阪に加入。170センチ、63キロ。