木山隆之新監督(48)率いるJ1ベガルタ仙台は、DFシマオ・マテ新主将(31)の1号でスタートした。

ホームに名古屋グランパスを迎えた開幕戦は先制しながら、1-1と引き分けた。終始試合を支配される展開だったが、90分間全員で守りきり、勝ち点1を手にした。16日のルヴァン杯浦和戦で大敗した悪夢を振り払う、1歩になった。

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主将の左足で先制した。前半18分、MF佐々木のFKを相手GKがパンチング。そのボールをFW赤崎秀平(28)が拾い、MF松下へ。再び赤崎が受け左サイドからクロスを供給した。ゴール前に残っていたマテが頭で合わせると、ワンバウンドしてゴールポストを直撃。跳ね返りを再びマテが押し込んだ。

記念すべき1号でチームに勇気を与えたマテは「練習の積み重ねがああいうゴールにつながった。練習から常にセカンドボールを拾う意識でやっているし、素晴らしいクロスをもらって合わせることができた」と振り返った。昨季まで在籍していた古巣相手に、起点となるクロスを上げた赤崎は「シマオ(マテ)はチームで一番ヘディングが強い。相手といい駆け引きをしてくれて、イメージ通りのボールを上げられた。最初は入らなかったが、気持ちで押し込んでくれた」とたたえた。

今季初戦だったルヴァン杯浦和戦は、守備が崩壊して5失点。リーグ戦開幕に不安を残した。この日は仙台より10本多いシュート16本浴びながらも、全員で踏ん張り、最少失点でしのいだ。マテは「強い相手と戦って、激しい試合だった。望んでいた勝ち点3ではないが、悪くない出だし。ミスして学ぶことがたくさんあると思う。前の試合(浦和戦)のミスから学び修正できた」と続けた。

仙台はこの一戦で、J1に在籍する13年間の開幕戦成績を8勝1敗4分けとした。昨年に続く引き分けで、6年負けなしのスタートとなった。さらに、ハーフタイムライブなどで会場を沸かした歌手の松崎しげる来場試合は4勝2分け。「愛のメモリー」は「無敗のメモリー」と化した。

次戦は26日のルヴァン杯C大阪戦(ユアスタ)。中3日の試合になるが、今季初勝利をつかみ、リーグ戦の弾みにする。【山田愛斗】