横浜FCのMF中村俊輔がヴィッセル神戸戦に41歳7カ月30日で先発。J1出場は歴代4位の年長記録で、開幕戦に限れば最年長記録。

中村がいぶし銀の活躍で神戸と勝ち点1を分け合った。アウェーで防戦一方。持ち味のパスやキックを発揮する場面はほとんどなかったが、周りの若手を生かし、守備にも走り泥臭くプレー。「粘り強さ、我慢。J1で生き抜くための形を第1節でできたのは大きかった」と話した。

16日の今季初戦、ルヴァン杯の広島戦は走力ある若手で臨みベンチ外。何もできずに完敗した。トップ下のMF斉藤の負傷もあり、大事な開幕戦で下平監督から「ゲームコントロール」の役割を期待され先発起用。若手のミスには「焦るな。周りを見ていればいいところが絶対に空いてる」と声をかけ、22歳のMF松尾、23歳のMF中山のスピードを引き出した。「試合で自信を与えればグンと伸びる。軌道に乗せるのは、監督だけじゃなくて“こういう人”だったりする」。41歳のベテランだからこそ成し得る技だった。

代表で長くともにプレーしたガンバ大阪の遠藤も、同じ日に最多出場の金字塔を打ち立てた。「唯一無二じゃないといけない。メンタルも技術も含めて、ヤットしかもっていないものを自分で築き上げた」と敬意を表した。開幕戦のJ1最年長出場記録を更新した中村も、間違いなく「唯一無二」の存在だった。【岩田千代巳】

▼J1年長出場記録 横浜FCのMF中村が23日の神戸とのJ1開幕戦に先発出場。41歳7カ月30日でのJ1出場は歴代4位の年長記録となった。開幕戦に限れば、16年の甲府DF土屋の41歳6カ月27日を更新する最年長記録。