北越高OBでJ2ギラヴァンツ北九州のルーキーDF佐藤喜生(22=桐蔭横浜大出)がプロ初出場へ向け準備を進めている。新型コロナウイルスの緊急事態宣言解除を受け、チームは19日から練習を再開。特徴である左足からの正確なロングフィードと鋭い縦パスをアピールし、4年ぶりにJ2を戦うチームの起爆剤になると宣言した。高校、大学と地道な努力を続けた佐藤が、リーグ再開戦からのスタメン出場を狙う。

佐藤がプロ初出場へ向け準備を進めている。緊急事態宣言解除を受け、北九州はピッチでの少人数練習を19日から再開。佐藤は「パスは通用する。DF陣で左利きは自分だけなので、アピールしていく」と意気込む。4月5日からの活動休止中は、プロで戦い抜くための体作りに着手。自重トレーニングによる筋力向上と、炭水化物摂取を意識した食事方法で71キロから74キロに体重をアップ。「縦パスや、ロングキックのスピードが向上した」と練習再開初日から筋肉増量の手応えを感じている。

2月23日のアビスパ福岡との開幕戦は、コンディション不良でスタンド観戦。「出場できず悔しかった。早くデビューしたい」。北九州は4年ぶりにJ2に復帰。就任2年目の小林伸二監督(59)のもと、初のJ1昇格を目指している。佐藤は「若手が多く、良い雰囲気で練習できている。監督はポジショニングなどの細かいところも指導してくれるので成長できている」と明るく話す。

佐藤は無名の存在からプロ入りを果たした。北越高時代は県選抜に選ばれることはあったが、全国選手権などは県4強が最高。進学した桐蔭横浜大では3年秋から関東大学1部リーグで出場機会を増やしたが、絶対的な主力にはなれなかった。それでも、少ないチャンスを生かし北九州加入を勝ち取った。北越高時代の恩師、荒瀬陽介監督(30)は「ポテンシャルは当時から秘めていたが、大学で相当伸びたと思う。努力を継続することの大切さを体現した子。早くプロでのプレーが見たい」と活躍を期待する。

新型コロナウイルスの影響で、4月18日開催予定だったアルビレックス新潟戦は延期になっている。佐藤は「ビッグスワンでプレーし、アルビに勝つことが新潟への恩返し。その時が来るまですべてにおいてレベルアップする」。大学3年でセカンドチームの「TUY」と北越高で主将を務めた経験を生かし、初のJ1昇格を狙う北九州を最後方から支える覚悟もできている。「ピッチの上で年齢は関係ない。1年目からDFラインを統率し、J1昇格に貢献できる選手を目指す」と力強く宣言した。【小林忠】

◆佐藤喜生(さとう・よしき)1997年(平9)11月6日生まれ、新潟市出身。グランセナ新潟FC.JYから北越高へ進学し、2年時にU-17新潟選抜として「第18回国際ユースサッカーin新潟」に出場。初戦のメキシコU-17戦で1得点を挙げるなど優勝に貢献。桐蔭横浜大4年時は、関東大学1部リーグ準優勝、第68回全日本大学選手権大会準優勝。184センチ、74キロ。背番号は29。