Jリーグが、新型コロナウイルス感染拡大で中断していた公式戦の再開にあたり、J1からJ3まで全56クラブの各チーム40人、合計2240人の検査に向け本格検討に入ったことが28日、分かった。Jリーグはこの日、各クラブとオンライン会議を開き、再開前の検査に向けて複数の企業と話し合いを進めていることを明かした。現在の感染の有無を調べる抗原検査の体制を整えることを軸に、近い将来に認可される見通しの唾液によるPCR検査も検討しているという。

欧州でいち早く再開したブンデスリーガでは、全選手にPCR検査を行っている。22日の「新型コロナウイルス対策連絡会議」では、専門家から「選手を守るためにも検査体制を整えることが望ましい」との指摘を受けた。接触が多いスポーツでもあり、選手会からも検査の要望が出ていた。Jリーグの村井満チェアマンは、これまで導入を目指しつつも「国民優先」の考えが根底にあった。だが専門家の提言を受け「各方面と協議しながら実現に向かっていきたい」とし、実現に向け動いた形だ。

1チーム40人の内訳は各クラブの判断に委ねられるが、選手を中心に、監督、コーチら主要スタッフになる見込み。抗原検査キットは、既に厚生労働省に承認されている。精度がPCR検査ほど高くなく、PCR検査を望む声が多いという。唾液を検体として使用するPCR検査法が認可され、検査キットが確保できれば、安全をより担保された形での試合が実現する。

◆各国リーグのPCR検査 16日に再開したドイツのブンデスリーガでは、4月末から1、2部の全36クラブの選手、監督、スタッフら1724人に検査を実施。選手とスタッフは試合の1週間前からホテルを貸し切って完全に隔離され、試合前日にPCR検査を必ず行っている。6月の再開を目指すスペインでは、練習再開前に全選手にPCR検査を行い、エイバルMF乾、マジョルカMF久保も検査を受けた。