昨季Jリーグ王者のJ1横浜F・マリノスが1日、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で休止していた全体練習を約2カ月ぶりに再開した。

非公開で約1時間、ストレッチやパス回しなどで調整。クラブによると練習は全て屋外で行ったが、対人練習は避け、選手を2グループに分けて実施。選手ごとに飲料ボトルは分け、更衣室と導線も4グループに分けて利用時間を制限するなど、感染対策にも万全を期してのリスタートとなった。

練習後にオンラインで取材に応じたFW仲川輝人(27)は「密を避けながらいい感じに距離をとってトレーニングができました。みんなの笑顔というか元気な姿を見れたので、楽しくサッカーができました」と久しぶりのチームメートとの練習をかみしめた。

チームは4月4日を最後に全体練習を一時休止し、フィジカルコーチによるオンライントレーニングなどを行ってきた。5月中旬からはグラウンドで少人数に分けての自主トレーニングも開始。同下旬に神奈川県内に出されていた緊急事態宣言も解除され、全体練習再開に至った。

リーグ2連覇へ向け、練習前にはポステコグルー監督からもげきが飛んだ。仲川は指揮官からチーム全体へ話があったといい「また優勝するためにチーム一丸となるようにと言われました」と明かした。今後はリーグ戦の週2試合開催の可能性が高まるなど、昨季Jリーグ王者として臨むアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)などと合わせ、過密日程となることが予想される。仲川は「『(監督から)誰が出てもいいように』ということは言われました」と話し、「あと(リーグ再開まで)1カ月しかないという緊張感を持たせてくれるミーティングだったかなと思います」と振り返った。

チームでは3月9日の練習で主力のDFチアゴ・マルチンス(25)が右第5中足骨を骨折して離脱中だが、クラブは全体練習休止期間中にJ2アビスパ福岡からDF実藤友紀(31)、ベルギー2部ロケレンからMF天野純(28)とDF小池龍太(24)を獲得。過酷な日程も想定した分厚い補強で戦力はさらに充実した。主将のMF喜田拓也(25)は新加入選手について「少し難しいタイミングにもかかわらず来くれた。今いる仲間たちといいものがつくっていけるんじゃないかという気はしています」と手応えも口にした。

J1リーグ戦の再開日は7月4日。調整期間は約1カ月となる。仲川は「けがをすることもあるので、無理をせず、徐々に上げていければいいかなと個人的には思っているところです」と話した。サッカー観戦から遠ざかっているファンへ向けては「チームとしてアタッキングフットボールで見ている人を楽しませることも目標なので。個人としてもチームとしてもやっていくことが必要。チーム全体で質を高めていきたい」と意気込んだ。【松尾幸之介】