北海道コンサドーレ札幌が7月4日のリーグ再開前後の拠点に「高円宮記念 JFA夢フィールド」(千葉)を使用することが13日、分かった。

同施設は日本協会が主に日本代表の練習拠点として、千葉県立幕張海浜公園内に新設された。まだ日本代表も練習したことがない真っさらな最先端ピッチで、準備を進めていく。

   ◇   ◇   ◇

日本協会の協力を得て、札幌の日本サッカー新本拠地の使用が実現する。クラブは19日の全国への移動制限解除を待ち、22日前後から同施設での練習を開始する予定。リーグ再開後もアウェーが続く。飛行機移動の繰り返しを避けるため、関東での約1カ月のキャンプを決断した。その練習場所を協会から提供されることになり、現在は両者で最終調整中だ。

日本代表が練習する前線基地を、どこよりも先に使うことになる。同施設は完成して間もない。当初は今年4月のオープンを予定していたが、新型コロナウイルスの影響で運用が先送りになっていた。協会は8日に千葉・子守神社での安全祈念を終え、本格的に稼働する。札幌はそのピッチの最初の“利用者”となりそうだ。

札幌がリーグ再開前に遠征する理由は、北海道内では練習試合の相手がいないため。クラブは調整のため、再開前に関東圏のクラブとの練習試合を組みたい考えでいる。同施設で行う可能性もあり、“こけら落としゲーム”が実現する。

遠征では感染対策も徹底する。近隣に構えるチーム宿舎は、1人部屋を用意する考え。通常のキャンプ時は選手もスタッフも相部屋だが、リスクを排除する。現在の札幌・宮の沢での練習同様、一般の見学は不可となる。夏場のキャンプ生活での苦しい連戦が待つが、天然芝ピッチ2面、クラブハウスが完備する最高の環境で、サッカーに集中して乗り切っていく。

<高円宮記念 JFA夢フィールド>

◆所在地 千葉県千葉市美浜区美浜11(千葉県立幕張海浜公園内)。JR京葉線「海浜幕張駅」より徒歩15分。

◆設備 天然芝ピッチ、人工芝ピッチが各2面、フットサル専用アリーナ、トレーニングジムや会見、講習会を行うカンファレンスルームを備えたクラブハウスを完備。

◆建設 日本サッカー協会(JFA)が日本代表の活動拠点などを目的に15年5月に千葉を建設候補地とすることを承認。18年10月に起工式が行われ、今月8日には完成した施設を安全に稼働することを祈念した神事が行われた。

◆名称 構想当初は「JFAナショナルフットボールセンター(仮称)」としていたが、19年10月にJFAの初代名誉総裁だった故高円宮殿下の功績を後世に伝えるために「高円宮記念 JFA夢フィールド」に決定した。