モンテディオ山形の2020初ゴールは、今季のチームテーマに掲げた「アグレッシブ」を象徴するかのようだった。

前半18分、MF山田が果敢にペナルティーエリアに進入すると、相手のクリアを胸でトラップしたFW渡辺が、そのまま右足ボレーでたたき込んだ。新潟から新加入した背番号40のテクニシャンが、名刺代わりの1発で、ゴールをこじ開けた。

序盤は、栃木SCの前線から仕掛ける激しいプレスの前に、攻撃の形をなかなか作れなかったが、先制後は今季就任した石丸監督が目指す「ボールを大事にし、つなぐサッカー」を実践し主導権を握った。2月23日のジュビロ磐田との開幕戦では前半にセットプレー絡みから2失点し敗れた。試合後に石丸監督は「攻守ともにもう少し積極的に、アグレッシブにいきたかった」ともらした。中断期間を経て改善が見られた。

コロナ禍の影響で、過密日程必至となる中、新戦力の台頭にも期待がかかる。この日は2年目のMF末吉が、先発出場。昨年6月に両肩脱臼の手術を受け、同年3月10日の町田ゼルビア戦以来、1年3カ月ぶりの出場だったが、右サイドから何度も積極的な仕掛けを見せた。今季は降格がなく、上位2チームがJ1に自動昇格となる。4カ月越しの初勝利で勢いをつける。【野上伸悟】