ホーム開幕のアルビレックス新潟はツエーゲン金沢に3-5で大敗。J1時代の09年の第2節鹿島アントラーズ戦(2○1)以来、11年ぶりのホーム開幕戦勝利とはならなかった。

前半はFWファビオ(23)の2得点、後半はFWに入ったシルビーニョ(30)のPKによる得点で粘るも逆転することはできなかった。新潟は今季初黒星で勝ち点は4のまま。ここ2試合の失点は8となった。複数得点を取れているだけに次節松本戦(11日)までに、守備の改善が急がれる。

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スタジアムにはサポーターの歓声ではなく、朝から降り続く雨がむなしく鳴り響いた。新潟は前半5分、FWの位置に入ったシルビーニョ(30)のクロスに、FWファビオ(23)が左足で合わせ先制する。だが今季ここまで無得点の金沢に、前半だけで4点を献上。守備のもろさを露呈した。

アルベルト監督(52)は前節甲府戦(6月27日)での3失点を改善しようと、この試合へ向け、守備面での対策を練っていた。両サイドからのクロスを警戒するため、前半はMFゴンサロ・ゴンザレス(26)が最終ラインに加わったが、それが逆効果。チーム全体でゴール前でのプレッシャーが甘くなり、9分にFWルカオ(24)、18分DF下川陽太(24)に簡単にミドルシュートを打たせてしまった。

この試合唯一の収穫はファビオの2得点。前半9分の先制点は左足ダイレクト、前半36分には右足で存在感を示した。アルベルト監督からは「守備をしない選手は使わない」と言われ、守りでも懸命に走り回った。これでFW渡辺新太(24)に並び、今季3得点。新潟のサッカーに順応してきた。

リーグ戦再開後、先制点を奪った後の試合の進め方、集中力、メンタルの切り替えなど、ウイークポイントが浮き彫りになった。次節のホーム松本戦までの期間に修正できるかが、試される。【小林忠】

▽アルベルト監督 信じられない試合。これだけ悪運に見舞われた試合は記憶にない。3得点も、守備は悪運で最初の2失点、その後はミスが続いた失点だった。攻撃で明確なチャンスを作り出すも決めきれず、信じられない。今後、攻守のバランスを見直していく。

▽FWファビオ 記憶に残るいいゴールだったが、もっとやれた。5失点はサッカー人生で初。何を言葉にすればいいか分からない。全体を通して注意深さが欠けていた。

▽DF堀米悠斗 いい形で先制点取れたが、失点場面での対応が甘かった。失点が多すぎるので守備陣、攻撃陣で確認していく。攻撃の質は上がってきているし、やっている方向性は間違っていないので、向上していくしかない。ゴール前での守備は絶対改善が必要。

○…FWで出場のMFシルビーニョが「みそじゴール」で2試合連続ゴール。前節甲府戦で20代最後のゴールを決めており、後半27分MF高木善朗(27)が獲得したPKを冷静に沈め、30代初ゴールを挙げた。前半にはファビオの先制ゴールもアシストするなど好調をキープしている。次節で3試合連続ゴールと勝利を目指す。