元日本代表監督の岡田武史氏(63)がオーナーを務めるFC今治が、「四国ダービー」となったカマタマーレ讃岐に3-0の圧勝でJリーグ初勝利を飾った。

前半11分、相手のクリアミスからMF玉城峻吾(29)がペナルティーエリア左で右足を振り抜き先制。勢いをつけると、後半4分にFW片井巧(24)、同35分にMF岡山和輝(26)が追加点を挙げた。玉城は「チームとして初勝利。すごくホッとしています。練習していた形だったので思い切ってやりました」と振り返った。

14年10月、岡田氏は当時四国リーグ(5部相当)だった今治の運営会社の株式51%を取得し経営者としてクラブに携わった。15年にJFL昇格失敗。16年に昇格したものの、17、18年はJ3に届かなかった。順風満帆ではなかったが、5年をかけて昨年J3昇格を決めた。今季は「やるからにはJ2昇格を狙っている」と目標を掲げた。念願の初勝利にリュイス・プラナグマ監督(39)は「今日はいい試合をして、とてもうれしい。Jリーグで歴史的な初勝利だった。クラブに対しても感謝している」と喜んだ。

岡田氏にとってJリーグでの勝利は、06年12月の横浜監督時代に千葉を下して以来約13年半ぶり。横浜では2度のリーグ優勝を経験。98、10年と2度のワールドカップを率いた名将が、今度は自らのクラブで夢の第1歩を踏み出した。