北海道コンサドーレ札幌FW鈴木武蔵(26)が先発で6試合ぶりに試合復帰し、チーム最多今季5号をマークした。清水に1-3で敗れ、2連敗を喫したが、一時同点となる1発でエース復活を印象づけた。左太もも裏を負傷した7月8日鹿島戦以来1カ月ぶりのピッチでさっそくフル出場し「違和感もなく試合を終えたことは良かった」と安堵(あんど)した。

前半PKで先制を許し、0-1の後半7分。獲得したペナルティーエリア手前右のFK。FW菅が務めようとしたキッカーに名乗り出た。「壁の高さを見たら右の方が低かったのでいけそうと思った。狙いどおりでした」。右足シュートは壁を越え、ゴール右に突き刺さった。一時同点。クラブJ1アウェー通算150得点目の節目で流れを引き寄せつつあったが、同18分にDF田中が2枚目のイエローカードで退場し、数的不利な状況が2失点に響き、復活戦勝利は逃した。

今季の武蔵はエースの貫禄が漂う。出場する公式戦全試合で不発なし。ルヴァン杯鳥栖戦の1得点含め、5戦6発でゴール率100%だ。離脱はしたが、筋肉を負傷したのもハイパフォーマンスを見せていた証し。この日シュート4本を放ったが逆転ゴールを奪えず「1点しか取れなかったのは申し訳ない気持ちでいっぱい」と自分を責めた。

公式戦9試合が組み込まれる8月。「連戦を乗り切れるように頑張っていきたい」と戦列復帰はチームにとって前向きな材料。目標の上位2位を狙うためにも欠かせない背番号9が、巻き返しの活躍を見せる。【保坂果那】

○…ミハイロ・ペトロビッチ監督(62)は数的不利を嘆いた。後半18分のDF田中の退場から30分以上、1人少ない10人で戦った。気温28・3度、湿度71%の気候状態は選手の体力をさらに奪った。6試合ぶり復帰のFW鈴木を1トップに置き、マンツーマン守備を狙った立ち上がりを「あまりいい出来ではなかった。ボールロストも多かった」と振り返り、「前半の入りと後半退場者出たのが今日の敗因だ」と話していた。

▽リーグ戦2試合ぶりにフル出場した主将のMF宮沢 1人少なくなってからも戦う姿勢、勝ちに対する執念は見せられた。(次戦は中3日と)連戦なのでコンディションを整えながらチーム一丸で戦いたい。