ヴィッセル神戸のトルステン・フィンク監督(52)が「優勝はあきらめない」とJ1リーグ戦の巻き返しを誓った。現在、首位川崎フロンターレが勝ち点25で独走気配を見せており、天皇杯王者の神戸は、3勝3分け3敗の同12で10位に停滞している。

神戸は15日、神戸市内で調整した。この後、16日の鹿島アントラーズ戦(カシマ)へ向けて敵地へ移動する。

オンライン取材に対応したドイツ人指揮官は「リーグ戦は川崎Fが飛び抜けているが、優勝はあきらめていないし、選手には挑戦してほしい」とゲキを飛ばし、9月2日準々決勝の川崎F戦(ノエスタ)から登場する神戸は、ルヴァン杯へも「カップ戦も優勝への道はある」と意欲を示した。

神戸は前節8日の本拠ベガルタ仙台戦を落とすなど、今季いまだに連勝がないなど波に乗れない。今節の相手鹿島も12位に低迷し、互いに負ければ優勝戦線から脱落しかねない。だが、今年元日の天皇杯決勝では神戸が2-0で完勝し、クラブ悲願の初タイトルを獲得するなど、鹿島との相性はいい。

「天皇杯とは違うし、マッチプランは公開できない。互いにメンバーは変わっているし、互いに分析し合っている。鹿島は基本は4-4-2システムで、それに対抗するメンバーでいく。鹿島は最終的にはシーズンを通して上位にいくチーム。我々にとって楽な試合ではない」

FW古橋亨梧(25)が故障離脱中で、鹿島戦は“鹿島キラー”と呼ばれ、天皇杯決勝でも得点を決めたFW藤本憲明(30)が先発する可能性が高そうだ。

またこの日、日本時間未明に行われた欧州CLでは、指揮官の古巣バイエルン・ミュンヘンが、MFイニエスタらの古巣であるバルセロナに歴史的な大勝を収めた。「バルセロナは後ろから組み立てるスタイルがうまくいっていない。縦パスに対応するようなモダンなサッカーの方が、今は有利なのでしょう」と分析。世界を知る指揮官が、神戸を再び上昇気流に乗せる決意だ。【横田和幸】