プレナスなでしこリーグ1部の日テレ・東京ヴェルディベレーザが28日、30日のホームでのマイナビベガルタ仙台レディース戦へ向けて調整した。今季から新システムに取り組む中、ここ2戦は計16得点で2連勝中。オンライン取材に応じた2トップを組むFW小林里歌子(23)とFW植木理子(21)も向上しつつあるチーム状態に自信をみせた。

リーグ5連覇中の日テレは今季から昨年までの4-3-3から4-4-2の布陣へと変更。開幕直後は第3節で浦和レッズレディースに敗れるなど苦戦を強いられたが、ここ2戦はセレッソ大阪堺レディースに10-1、伊賀FCくノ一三重に6-1で勝利。女王の貫禄を取り戻しつつある。前節に2得点した小林は「新しいサッカーに取り組んで最初は苦労した部分がありましたが、徐々に自分たちの目指すサッカーが浸透してきていると思う」と口にする。昨季まで1トップとして前線に君臨していた4年連続得点王のFW田中美南(26)や、司令塔のMF籾木結花(24)らが移籍し、チーム内では彼女たちよりも若い選手の意識が高まりつつある。田中から背番号「9」を受け継いだ植木は、プレッシャーで開幕当初は硬くなりすぎていたと振り返り「冷静になればチームが勝つこと、その中で自分ができることを精いっぱいやることが一番かなと思った」と切り替えた。小林らポジションの近い選手たちと密にコミュニケーションをとって感覚をすり合わせ、「攻撃のビルドアップのところも意識しています」と得点以外の動きにも磨きをかける。

現在は浦和に次ぐ2位につけるが、昨年も首位をいく浦和をシーズン終盤でかわし、5連覇を達成した。永田雅人監督もここ2戦の戦いぶりには手応えを感じており「このやり方で対応していけるかもしれないという方向にきているかもしれない」と口にしている。 チーム状態が上向く中、主将DF清水梨紗(24)が左鎖骨の骨折、DF土光真代(24)が右膝前十字靱帯(じんたい)損傷および半月板損傷で長期離脱を余儀なくされるなど、不安材料がないわけではない。それでも下部組織を含めた層の厚さで対応できるのが日テレの強み。反対に離脱していたベテランMF阪口夢穂や中里優らは実戦復帰しており、指揮官は「うちにはチームを支えるベテランもいるので、若い選手には(実戦を)存分に味わって成長してもらいたい」と期待を込める。植木も「主力選手がけがをしてしまったのはもちろん痛い。その穴も埋められるようにチーム全員でやっていかなければいけない」と力を込めた。【松尾幸之介】