東京ヴェルディの永井秀樹監督(49)が、ヴェルディ時代の先輩で横浜FCのFWカズの偉業に敬意を表した。

カズは23日の川崎フロンターレ戦に先発出場し、J1最年長出場記録を53歳6カ月28日に更新した。永井監督は「簡単なことではない。J1の舞台ですから。あの人しかできないことですし、しばらくこの記録は破られることはないでしょうね」。続けて「すごいのはやはり、情熱を失わないところ。そこがすべてかなと思いますね。我々も後輩として、立場は違いますけど、サッカーと真摯に向き合う。そこの情熱は学ばなければいけない。いい刺激をもらっています」とし、監督の立場でもカズの情熱に触発されていることを明かした。

現在、東京VはMF山本理仁、藤田譲瑠チマら10代の有望な若手を数多く抱えている。若手を指導する際、永井監督はカズのエピソードを伝えている。居残りの連続シュート練習では、10本がノルマだが、カズは同様の練習で、コーチの設定した本数より自ら多くを要求していた。「カズさんがなんですごいか、何で今もやれるか。コーチが本数を決めて蹴り終えて倒れるのではなく、そこからさらに2本くれと。そういうのがないとやれないよ」と若手に話したという。永井監督は「作り話ではないですし、自分の目で見てきたこと。同じことやってれば人並み。そこを超えてきたのがカズさん」と話した。

東京Vは前半戦を7勝7敗7分けの11位で折り返した。27日には西が丘で首位の北九州との対戦が控える。指揮官は「勝ってギアを上げていきたい」と、カズから受けた“情熱の刺激”を秘め、一戦必勝を誓った。