ガンバ大阪がホーム鹿島アントラーズ戦を2-0で完勝し、今季2度目の4連勝を飾った。自軍の倍近い20本のシュートを浴びながら、GK東口ら守備陣が魂の守備を披露。攻撃陣も少ない得点機をものにし、7位から暫定4位に一気に再浮上。MF遠藤保仁(40)のJ2磐田への期限付き移籍が4日にも発表される状況で、新生ガンバが節目の勝利を奪った。

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攻撃自慢だが、耐え抜く姿もかっこいい。G大阪が7月以来、今季2度目の4連勝を遂げた。完封は4度目で、先発10試合目で初めて無失点を経験したDF昌子は、古巣鹿島からの勝利に「守備としてうれしいが、まず勝つこと。4連勝ではなく5、6連勝に伸ばしたい」。4バックに変更しての快進撃だ。

01年から約20年在籍して計9冠の獲得に尽力した遠藤が、J2磐田へ期限付き移籍となった。9月末から練習を欠席しており、この日が在籍最後の試合になる可能性が高い。ベンチ外で姿を見せなかった遠藤だが、選手個々で既に別れのあいさつを済ませていた。

「僕らは試合に集中するだけ。そこはそこ(プロとして)の関係」と昌子。背番号7に頼れず、チーム力が低下したとは言われたくない。遠藤の後継者に期待される新人の22歳MF山本は7試合連続先発。前半には大胆なクロスを試すなど風格も出てきた。34歳GK東口のスーパーセーブなどしびれる展開が続いた。

就任2年半で鹿島戦初勝利の宮本監督は「ゴール前での体を張った守備は、1-0になってからも集中力があった。ヒガシ(東口)のセーブもよかった」。FWパトリックの先制PK、渡辺の後半終了間際の追加点。中盤を支配されても要所を締めた。東口は「FWのプレスで後ろは守りやすい。継続してやっていければいい」。遠藤の勝負魂を引き継ぎつつ、G大阪はさらに進化していかなければならない。【横田和幸】