全国高校サッカー選手権に、過去2度出場している履正社(大阪)が、18日に大阪府予選の初戦(J-GREEN堺)を迎える。8日、湘南ベルマーレ入りが内定しているMF平岡大陽(3年)は「(予選で)優勝したい。結果を残して、気持ち良く次のステップに行きたい」と意気込みを語った。

171センチ、66キロと恵まれた体格ではない。入学前はセレッソ大阪西U15に在籍。上位のカテゴリーを目指していたが、昇格できず、同校に進学。特別なことをしたわけではないが「1つ1つ、コツコツ真面目に練習した。やってないと不安です」と語った。平野直樹監督(54)も「平岡は一切の手抜きをしない。(コンディションが悪いときは)こっちが止めてやらないといけないタイプ」と評価した。

同校は方針として「サッカーを通じた教育」を掲げている。トイレのスリッパを並べる、落ちているゴミを拾うなど、生活のなかで「人としての成長」を重視。平野監督は「ピッチの中では全てに気を使わないといけない。仲間の変化やゲームの流れの変化。生活習慣のなかで『気を使う』トレーニングをしている。人間力が大事」と説明した。平岡も3年間でこの習慣を身につけた1人だ。この日の練習前にも、アイシングで使用する袋を拾ったという。「拾わないと気持ちが悪い。整理整頓するとサッカーをしているときも、頭の中がすっきりする」と語った。

当初は大学進学を考えていた。今春に湘南から声がかかり、プロの道に進むことを決めた。自身の実力のうち才能は40パーセント以下で、残りは努力、人間性と自己診断する18歳は「(成長するために)ゴミは1つも落とせない。『この人にはいてほしい』と選手やスタッフなど、全員に思ってもらえるような選手になりたい」と成長を誓った。【南谷竜則】