J1G大阪のFWアデミウソン(26)が道路交通法違反の容疑で任意捜査されたことを受け、Jリーグの村井満チェアマン(61)が26日に東大阪市内で取材に応じ、厳しい口調で思いを語った。

この日はJFLのFC大阪のヒアリングを行っており「今スタッフから聞いて、ミーティングの最中ですけれど、リリース文書を確認させていただきました」。その上でこう語った。

「ありえない、許されない、そういう行為ですよね。酒気帯びで車を運転し、接触事故を起こしている。しかも高速道路でという内容と拝見しましたが、そんな状態で1歩間違えば、大惨事になる可能性がありました。それが練習場に向かうという状況で、練習を控えたプロアスリートがそんな心構えで、そんな行動をとること自体が、信じられないし、許されないことだと思っています。本当に残念なことだと思います」

発生したのは25日午前8時35分ごろ、大阪府茨木市内(近畿自動車道内)。アデミウソンが運転する自動車が追い越し車線を走行中、左前側ボディーを走行車線の自動車と接触するが、本人は自動車との接触とは認識せずにクラブハウスへ向かった。トレーニング終了後、11時30分ごろにクラブハウスで大阪府警察本部交通部、高速道路交通警察隊から任意同行を求められ、事情聴取と合わせて行われたアルコール検査で基準値を超えるアルコールが検出された。

Jリーグでは10月に入り、酒気帯び運転などの疑いで書類送検されたJ2新潟FWファビオ、ペドロ・マンジーが契約を解除された。J1仙台は週刊誌で暴行が報じられた主力MF道渕諒平との契約を解除。不祥事が続く状況に、村井チェアマンは表情を曇らせた。

「このコロナ禍の困難な中で歯を食いしばり、頑張っていた多くの関係者の皆さま、ファン、サポーターの皆さまの期待を裏切る行為が続いています。サッカーで勝った、負けたとか、うまい、強いとか、そんなこと以前に、地域の皆さまに支えられている。Jリーグが地域の皆さまに迷惑をかける存在になってしまうとしたら、それはもう、存在する意味さえもない事態だと考えています」

新潟の件があり、20日には担当者会議でコンプライアンスを周知徹底。この日には選手会との協議が予定されていた。村井チェアマンは今後の対応について「今までもいろいろな努力をしてきたとは思いますが、それが十分に伝わりきっていないと明らかになりました。もう1回やり直すつもりで、コンプライアンス対応に努めていきたいと思います」と方針を示した。