1日の住民投票で「大阪都構想」が否決され、大阪市の存続が決まった。

可決されていれば、4特別区が設置され、大阪市と堺市をホームタウンにするセレッソ大阪は、Jリーグの規約で特別区をクラブの「ホームタウン」にできないため、新たにホームスタジアムを探す必要があった。

住民投票を終え、C大阪が最初の公式戦(J1リーグ戦)を迎えた3日、大阪市東住吉区にあるヤンマースタジアム長居では、今季ホーム最多1万9553人を集め、大阪ダービーが開かれていた。

C大阪の森島寛晃社長(48)は「(住民投票に)多くの市民が関心を持っていたのは間違いない」と述べたが、それ以上は言及しなかった。クラブ関係者によると基本、政治的な問題にはクラブとしての意見は出さないという。

一方でC大阪は大阪市から出資を受け、市民無料招待などさまざまな企画を誕生させてきた。重要なパートナーであるのは事実だ。クラブ関係者は「(大阪市存続で)これまでの市との連携が白紙に戻ったり、停滞しないでよかった」と打ち明ける。別のクラブ関係者も「内心、ほっとしている」と話す。

大阪市が廃止されていれば、C大阪はJリーグクラブが本拠地として定めなければならないホームタウンを、複数の市町村や大阪府にする可能性があった。C大阪の別の関係者は「我々とすれば、どちらがいい、悪いという話ではなかった。実際に大阪市廃止に備え、Jリーグとも相談はしていた」と説明する。

C大阪は現在4位と好位置につけており、来年3月にはヤンマーと同じ長居公園内に、現在改修工事中の「桜スタジアム」(旧キンチョウスタジアム)が完成の予定だ。【横田和幸】