アルビレックス新潟はホームでジェフユナイテッド市原・千葉と対戦し、0-2で敗戦。8試合ぶりに痛すぎる黒星を喫し、J1昇格を争うライバルの背中が遠のいた。後半11分、ペナルティーエリア右付近で与えたFKのこぼれ球をFWアラン・ピニェイロ(28)に押し込まれ先制を許すと、同36分にカウンターアタックから追加点を奪われた。これで13勝14分け7敗で順位も6位に落とした。勝ち点は53のままで、昇格圏の2位アビスパ福岡との勝ち点差は12から15に広がった。

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最後までゴールに迫るが、千葉の堅い守備を崩すことはできなかった。0-2の後半42分、途中出場のDF荻原拓也(20)が右サイドをえぐったMF本間至恩(20)のクロスを頭で合わせる。「タイミングよく飛び込むことは出来た」。だが、左ポストに嫌われる。「あそこで1点取れていれば展開が変わったかもしれない」と荻原は悔いた。

前半は相手のサイドバックの背後を狙うロングボールを多用した。右MF本間と、左MF堀米悠斗(26)を中心にサイドから好機をうかがう。それでもゴールへ直結するようなクロスやパスをFW鄭大世(36)に通すことができず、シュートはわずか1本。後半の立ち上がりも相手の統率の取れた守備を崩せなかった。

攻撃でリズムをつかめずにいると後半11分、今季ここまで無得点の相手FWにセットプレーからの先制点を献上。「相手は引いて守り、こちらのミスを待っていた。あの先制点がすべてだった」とアルベルト監督が振り返る。0-1の同20分過ぎから徐々にペースをつかみ、反撃に出る。本間のドリブルやMF中島元彦(21)が流れの中から決定機を作るが、ゴールを割ることはできなかった。

後半36分には2点目を失い、「(2点とも)崩されたわけではない失点」とアルベルト監督。波に乗り切れない今季のチームの現状を象徴するような、攻守にもどかしい内容に険しい表情だった。今季ホーム最多の9355人のサポーターの前でJ1昇格ラインが遠のく、痛い敗戦となった。それでもDF舞行龍ジェームズ(32)は「(昇格を)諦めている選手は1人もいない。残り8試合全勝するしかない」と闘争心を失うことはなかった。【小林忠】