新型コロナウイルスの感染から現場復帰した柏レイソルのネルシーニョ監督(70)が19日、21日のサガン鳥栖戦に向けオンライン取材に応じた。

ネルシーニョ監督は3日にPCR検査で陽性となり、チームでは合計16人の集団感染が起こった。ネルシーニョ監督は10日間、隔離病棟に入院していた。ベスト体重から3キロ減ったが、既に18日から日課の6キロランニングを再開したことを明かし「症状が出てから数日間は高熱に見舞われましたが、現場にも復帰してますし見ての通り元気です。ご心配おかけしてすみません。ありがとうございました」と笑顔を見せた。

幸い、入院後は急激な体調の悪化はなく、投薬治療も受けなかったという。毎日、定時に検温し、定期的にエックス線の検査は行っていた。隔離生活で病棟を歩き回ることができず、パソコンを利用しサッカーの情報を収集したり、柏や欧州の主要リーグの試合を見るなど、サッカーの研究に時間を費やした。あらためてサッカーと向き合い「勝ちたい」という思いが強くなり、指導者としてのモチベーションが落ちることは一切なかったという。

ネルシーニョ監督は「医療従事者の方が、忍耐強く辛抱強く、対応してくださった。感謝しても仕切れない。おかげさまで退院して復帰できた」と感謝の気持ちを口にした。ただ、入院生活については「思い出すのも嫌なぐらいタフな日々だった。毎日天井だけを見て生活する日々に、さすがに嫌気がさしてしまって」と本音も見せた。

チームは18日から通常トレーニングを再開。鳥栖戦まで時間はわずかだが、ネルシーニョ監督は「ゲームに向けて、選手たちは思ってた以上に意欲的で表情もいい。選手たちは今まで以上に高いモチベーションで励んでくれている。その姿を見ることができてうれしく思っている」と目を細めた。この日はJリーグのPCR検査を実施。指揮官は現時点で、鳥栖戦に向け出場できる状態である選手が20人いることを明かし「PCR検査次第だが、18人の登録はできる」と明かした。続けて「こうして職場に帰ってくることができて、個人としてもチームとしても可能性がある限りはあきらめることなく戦う姿勢を見せたいなと思います」と残り試合へ並々ならぬ決意を示した。【岩田千代巳】