J2ジェフユナイテッド千葉は19日、元日本代表FW佐藤寿人(38)が今季限りで現役引退することを発表した。

佐藤は千葉の下部組織から00年にプロデビュー。セレッソ大阪やベガルタ仙台への期限付き移籍などを経て、05年からはサンフレッチェ広島へ加入。約12間在籍し、08年シーズンはJ2で28得点を挙げて得点王、チームが初のJ1年間優勝を達成した12年シーズンはJリーグMVPと得点王(22得点)にも輝いた。

その後、名古屋グランパスへの移籍を経て昨季からプロデビューを果たした千葉へ復帰。今季はここまで41試合で9試合出場2得点だった。

佐藤はクラブを通じてコメントも発表した。「小学生の頃にJリーグが誕生し、カズさんとゴンさんのプレーに目を輝かせ、たくさんの夢を与えてくれたJリーグの舞台で選手として21年という長い時間をプレーできた事、とても幸せな時間でした」と感謝をつづり、現役最初、そして最後のクラブとなった千葉へ向けては「ジェフのアカデミーで過ごした6年間で素晴らしいスタッフと出会えた事でプロサッカー選手になる事が出来ました。ただ、自分自身はプロ入りの2年間と復帰した2年間でジェフのために活躍出来なかった事はとても悔しく申し訳なく思います。今はクラブが難しいサイクルの中にいると思いますが、誰よりもジェフを愛する兄が必ずファン・サポーターの皆さまをJ1の舞台に導いてくれると思います」とつづった。

続けてこれまで在籍した他クラブへの想いも述べた。「セレッソ大阪での1年間は素晴らしいチームメートの中でプレーできた事でたくさんの事を学ぶ事が出来ました。レンタル移籍で活躍していない状況にもかかわらず、いつも温かく見守ってくれていたセレッソのファン・サポーターの優しさを忘れる事はありません。ベガルタ仙台での2年間はプロサッカー選手としてプレーする喜びをたくさん感じる事ができました。スタジアムがベガルタゴールドに染まる景色は選手を勇気づけるものでした。これからも変わらずクラブを支えてほしいと思います。12年間プレーしたサンフレッチェ広島。その長い年月だけではなく、共に喜び、共に苦しみ、ファン・サポーターと共闘していった先にたどり着いた2012年の初優勝。そしてユニホームに光り輝く3つの星。愛する広島の皆さまに、いつかただいまと言える日を楽しみにしています。名古屋グランパスでの2年間はクラブにとって唯一無二の存在、楢崎正剛さんとグランパスがいるべき場所に戻るために共に戦えた事、素晴らしいチャントで背中を押してくれた事、とても感謝しています。ゴール裏で「風」を一緒に歌うのが最高の瞬間でした」と思いを語った。

最後にはこれまで支えてくれた家族やスタッフらへの感謝も述べた。「これまで指導して頂いた、コーチ、監督。21年間プレー出来る状態を作ってくれたメディカルスタッフ。いつも誰よりも早くクラブハウスに来て準備してくれているマネジャー。チーム作りのために時には厳しい判断をしなければならない強化部。クラブのために働いてくれている社員の皆さま。クラブを支えてくださっている地域やスポンサー、パートナー企業の皆さま。Jリーグをここまで創り上げてくださった関係者の皆さま。ピッチで対戦した多くのサッカー仲間。いつも口うるさい要求に耳を傾けてくれたチームメート。全ての人に感謝しています。最後に大きなけがなく丈夫な身体に産んで育ててくれた尊敬する両親。最高の兄貴で最高のライバルである勇人。いつも笑ってそばにいてくれた妻と3人の子供達、ありがとう」と締めくくった。