17年連続17度目出場の藤枝順心(東海2位)が北海道大谷室蘭(北海道2位)を5-0で下し、史上4校目の2連覇に向けて好発進した。FW窓岩日菜(2年)の先制点を口火に、後半だけで5得点を決めた。2年連続12度目出場の常葉大橘は、作陽(岡山、中国1位)にPK戦の末、3-4で惜敗。2年連続でPK戦で涙をのんだ。

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藤枝順心が重苦しいムードを後半の5ゴールで振り払った。圧倒的に攻め込みながらも、最後の精度を欠いて前半は無得点。それでも後半7分、窓岩が左クロスのこぼれ球を利き足とは逆の左足で蹴り込んだ。「気持ちで押し込んだ。自分のゴールで流れを引き寄せられてうれしい」と笑みがはじけた。

無得点の重圧から解き放たれると、選手たちは水を得た魚のように躍動した。同10分にFW斎藤桃花(3年)、5分後にはDF堀真綾(3年)がゴール。ロスタイムにも2点を追加し、最後まで攻撃の手を緩めなかった。多々良和之監督(56)は「どのチームも初戦は難しい。先制してからは力が抜けて、良いプレーを見せてくれた」と目を細めた。

2年ぶり4度目の優勝を果たした昨年の1回戦・宇都宮文星女(栃木)戦も、同じく5-0で快勝。偶然ながらも、幸先の良いスタートとなった。4日の2回戦は湘南学院(神奈川、関東5位)と対する。主将のMF柳瀬楓菜(ふうな、3年)は「次はもっと早い時間で点を決めたい」と気を引き締めた。2年連続の女王の座を目指し、着実に歩みを進める。【古地真隆】