青森山田はまたしても山梨学院に勝てず優勝を逃した。11年前の決勝で0-1と敗れた因縁のカードで、あの日と同じ立ち上がりに失点。一時は逆転に成功したがその後追い付かれ、PK戦の末に敗れた。

前回大会でも決勝戦で静岡学園に敗れて優勝を逃しており、2大会連続の準優勝となった。

2回戦から準決勝まで、15得点2失点と圧倒的な強さで勝ち上がってきたが、決勝戦は甘くなかった。立ち上がりから何度もチャンスを作ったが決められず、前半12分に失点。11年前の決勝では前半11分に失点しており、黒田剛監督(50)がかねて警戒していた「最初の10分~15分」だった。前半だけで5本のロングスローもあったが、ことごとく相手守備陣に跳ね返され、1点ビハインドで前半を折り返した。

後半も得点が奪えない展開が続いたが、12分にMF松木玖生(くりゅう、2年)が放ったボレーシュートのこぼれ球を、「今までの集大成といえるすばらしいゲームをしたい」と話していた主将DF藤原優大(3年)が押し込んだ。続く18分には、途中出場のMF藤森颯太(2年)の右クロスを、中央でMF安斎颯馬(3年)が合わせて逆転に成功した。安斎は山梨学院GK熊倉と中学で同じチーム。「クマから点を取りたい」と話しており、有言実行の一撃で突き放した。

しかし後半33分に一瞬の隙を突かれて失点し、2-2で迎えた延長戦でも決着は付かずにもつれ込んだPK戦で2人が失敗。全員が成功した山梨学院に及ばなかった。