尚志(福島1位)が5-2で専大北上(岩手1位)に競り勝ち、創部2年目で大会初制覇に王手をかけた。1年生2人が活躍。2-2の延長前半、左サイドハーフのMF大光(だいこう)望結が勝ち越しの決勝ゴールを決め、FW大槻美生のハットトリックで突き放した。

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尚志が、昨秋の東北高校選手権準Vの専大北上を力でねじ伏せ、昨年の初戦で敗れた雪辱を果たした。延長前半10分、大光がMF佐藤寿奈(2年)のシュートのこぼれ球にゴール正面で反応。持ち味のスピードを生かし、「寿奈がいいボールを出してくれた。あとは決めるだけでした」と決勝ゴールを振り返った。

創部時から1、2年生だけで戦ってきた。松本克典監督(44)は現メンバーに「成熟度は一番」と自信を持つ。4-3-3の攻撃的システムを試した前半は開始2分、大槻の2戦連発となるヘッドで先制。だが前がかりになり、連続失点で逆転を許した。本来の4-4-2に戻した後半は最終ラインも安定。「個の強化」に取り組んできた同監督は、「やるべきことを遂行すれば結果につながると信じていた」と再逆転につなげた。

東北高校選手権はチーム初の4強入り。だが準決勝で聖和学園、3位決定戦は常盤木学園の宮城2強にともに完封負け。悲願の全国出場を逃した。松本監督は「学年は言い訳にならないが(相手)3年生の思いが違った。今年は3学年がそろうので、技術のほかに強い気持ちを持つことも大事」と勝負の年を自覚する。

岩手・滝沢市出身の大光は「強くなりそうなチームだったので」と全国ピッチを夢見て入学した。4得点で大会得点ランク1位に並んだ大槻も「東北の中で一番点が取れる選手になりたい」と意気込む。今日18日の決勝は仙台大明成と戦う。松本監督は「常盤木と聖和を倒してきたチームなのでリスペクトしたい。宮城勢の連続優勝記録にストップをかけて、東北を代表するチームになりたい」と意気込んだ。【佐々木雄高】