なでしこリーグのセレッソ大阪堺レディースは30日、アルビレックス新潟レディースへ期限付き移籍していたDF松原志歩(23)が、今季からサンフレッチェ広島女子プロチームへ完全移籍すると発表した。

C大阪堺から今オフの移籍、退団は10人目になる。広島は今年9月開幕の国内女子初のプロリーグ「WEリーグ」への加入が決まっている。

大阪府生まれの松原はC大阪堺の下部組織で育ち、U-20日本女子代表にもなった有望株。在籍時はチームのエース番号でもある背番号8を付けていた。

クラブを通じ、感謝の思いを込めて「2年前に新潟に期限付きという形で移籍し、プレーさせてもらっていました。2年前からC大阪堺にはいなかったのですが、完全にセレッソから離れてしまうのか…と思うと寂しい気持ちでいっぱいです」などとコメントした。

C大阪堺では今オフ、なでしこジャパンのFW宝田沙織(21)とMF林穂之香(22)の2人が海外移籍し、今回の松原を含めて、MF脇阪麗奈(21)ら他の主力7人がWEリーグに参戦する他クラブへ移籍した。下部リーグへ移籍した1人を含めて、退団した全10選手はすべて相手クラブからオファーが届いた。

WEリーグの関係者は「どうしてもC大阪堺に在籍する好素材の選手は、狙われやすくなる」と証言する。昨季のなでしこリーグで4位に入ったC大阪堺は、今回のWEリーグへの参加を見送り、アマチュア最高峰の位置付けのなでしこリーグにとどまった。アマチュアからプロ選手として移籍する場合は、移籍先が移籍元へ、決して高額ではないトレーニング補償金を支払う以外は事実上、何も障害はない。そのため、前例のないほどのオファーが今オフ、舞い込んだ。

C大阪堺の関係者は「(10選手の退団、移籍は)それだけ実力のある選手がいた証拠。残った選手でやっていくしかない」と前向きに話している。C大阪堺が入った今季のなでしこリーグは、1部12チームに再編され、3月に開幕する予定だ。【横田和幸】