新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期されていた静岡県大会が約1カ月遅れで開幕し、昨秋の県選手権で決勝に進んだ2校が順当勝ちした。全国選手権に出場した藤枝明誠は5-0で浜松商に快勝。新チーム初の公式戦で実力差を見せつけた。2回戦は13日に行われる。

藤枝明誠が王者としての意地を見せた。前半中盤までは引いて守る相手に苦戦。チャンスを決めきれない重苦しい雰囲気を1年生がこじ開けた。同29分、右サイドを崩し、逆サイドから走り込んだDF内藤仁(1年)が左足ダイレクトで先制点。リードを奪うと、自慢の攻撃力が爆発した。1分後の30分にFW李度■(り・とびん、2年)が追加点。さらに、1点を奪って前半を折り返した。

2得点を挙げたFW李は全国選手権で登録メンバーから外れた。「去年は試合に出られず悔しい思いをしたので、今日は結果がほしかった」。先制点を挙げたDF内藤も全国選手権はメンバー外だった。

スタメン定着に燃える「新戦力」の活躍に、全国舞台を経験した2人も奮起した。後半10分、MF阿部陸門(りくと、2年)が左足で追加点。同20分にはMF渡辺翔太(2年)がゴール前のこぼれ球を右足で押し込み、勝負を決定付けた。副将の渡辺は「今年は王者のプライドを持ちながら、チャレンジャーの気持ちで戦いたい」と話した。

追われる立場で迎えるチームの目標は、県選手権に続く、2大会連続での県制覇。新生・明誠が好発進した。【神谷亮磨】

※■はおうへんに比