アルビレックス新潟はホーム開幕戦、長崎と対戦し、1-0で勝利した。後半7分にJリーグ戦通算250試合出場のMF高木善朗(28)が直接FKをたたき込み先制。直後にMF本間至恩(20)が2枚目の警告で退場し10人となったが、集中した守備で1点を守り切った。ホーム開幕戦勝利、開幕2連勝はJ1時代の09年以来12年ぶり。次節(13日)、3連勝をかけて敵地・山口に乗り込む。

  ◇   ◇   ◇

高木のメモリアル弾が勝負を決めた。後半7分。DF堀米悠斗(26)がペナルティーエリア左手前で倒され、得たFK。「蹴る前にマイケル君が来て、直接(狙え)と言ってくれた」。迷いなく振り抜いた右足キックは相手の足に当たり軌道が変わったが最後まで勢い落とさずネットを揺らした。Jリーグ戦通算250試合出場(J1=13試合、J2=237試合)を自ら祝う今季初得点に「自分でもビックリするぐらいいいコースに飛んだ。(相手に当たり)ラッキーだったが狙い通り」と笑みをこぼした。

リーグ開幕の北九州戦で2アシストの高木はこの日もトップ下で躍動した。「相手のボランチ脇でボールを受け、前に進むことを意識した」。相手の嫌がる位置でボールを引き出すと、前半23分には自陣からのロングパスでFW鈴木孝司(31)の決定機をつくり出し、その4分後には鋭いターンから本間へラストパスを配球。攻撃にリズムを生んだ。「チームとしても個人としてもやりたいことが表現でき、ストレスなく出来ている」。後半18分に右足を痛めて交代するまで攻撃をけん引した。

後半12分に本間がイエローカード2枚目で退場。残り約30分を10人で耐える苦しい展開もシステムを4-5-1から5-3-1に変更し対応。ホームスタジアムの9442人サポーターも大きな拍手で選手を後押し。GK阿部航斗(23)、DF千葉和彦(35)を中心に守りきった。「1人退場し、やることがハッキリした。みんながよく守ってくれた」と高木は振り返った。

ホーム開幕戦白星、開幕2連勝はともに12年ぶりと好スタートを切った。次節13日、敵地で山口と対戦する。高木は「後ろ(DF)から自信を持ってプレーしているし、やりたいサッカーが出来ているという手応えがある。全員で自信をもって次も臨みたい」と意欲を見せた。【小林忠】

○…開幕戦でプロ初出場を果たした2年目のGK阿部が2戦連続先発出場。プロ初完封を地元新潟で飾った。「入場する時に鳥肌が立った。1人退場で苦しい時間が続いたが、フィールドプレーヤーとサポーターの声援のおかげで勝ち点3を取れた。一生忘れない出来事の1つになった」と振り返った。

▽アルベルト監督「10人になった直後、選手には『消極的になるな』と伝えた。苦しんだ中でつかんだ勝ち点3を自信に次からも前に進んでいきたい」

▼記録メモ 新潟がホーム開幕戦、長崎戦に1-0で完封勝ち。ホーム開幕戦勝利はJ1時代の09年以来12年ぶりだが、今回のようにホーム初戦で無失点勝利は06年以来15年ぶり。今季はシーズン開幕戦のアウェー北九州戦も4-1で勝っており、シーズン開幕2連勝は09年のアウェー東京戦4-1、ホーム鹿島戦2-1以来12年ぶり。なお新潟の開幕連勝記録はJ2参入1年目だった99年の開幕7連勝(延長戦勝ちを1試合含む)。