コンサドーレ札幌は神戸に3-4で敗れた。前半45分にPKで先制点を挙げたFWアンデルソン・ロペス(27)が後半1分までの「2分間で3得点」を挙げる“最速”ハットトリックでリードも、後半4失点で逆転負け。歴史的敗戦にペトロビッチ監督(63)は「プロのチームとしてはあってはならないことだ」と切り捨てた。今季リーグ戦は開幕の横浜FC戦が唯一の白星で、3月は4戦未勝利に終わった。

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会場の空気は重かった。3発快勝の流れが一転、後半4失点で悪夢の逆転負け。試合終了後、今季2度目のホーム開催に集まったサポーターにあいさつに回った選手たちの足取りも重かった。試合後、指揮官もうなだれるしかなかった。

ペトロビッチ監督 3-0でリードしているチームが、後半逆転されて負けることは、プロのチームとしてはあってはならないことだ。

辛辣(しんらつ)な言葉ほど、語気は強くなかった。その素振りが、かえって無念の色をにじませた。

開幕戦を白星で飾った札幌ドームでの2戦目。前半にPKで2得点のFWロペスは「立ち上がりから良い入りができた」。さらに後半開始1分にもMFルーカス・フェルナンデスとの連係でゴールネットを揺らし「2分間で3得点」のJ1“最速”ハットトリックを達成。3点リードに加え、そこまで相手シュートを2本に抑える試合運びに「私が札幌に来てからベストなゲーム」とペトロビッチ監督が前半の内容を評価するのも無理はない。

結末は開幕戦以来4戦ぶりの勝利どころか、勝ち点にすら届かなかった。後半8分にパスをつながれ得点を許すと、4分後にはDF田中のGKへのバックパスを拾われ立て続けに失点。「運動量、球際で集中力が欠ける部分があった」とペトロビッチ監督。同22分に同点に追い付かれると、41分には4点目を献上。3点ビハインドをひっくり返されるのはJ1リーグ戦では8年ぶり史上9度目。不名誉な記録に、MF宮沢は「こういうゲームをしていては上にいけない」と唇をかんだ。

3月はリーグ戦4戦で1分け3敗。アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)出場を目指すチームにとって、勝ち点1すら取れなかった事実は重い。J1ではクラブ史上初の2度目のハットトリックが空砲に終わったロペスは「悔しいけどもう忘れて、勝ち続けて順位を上げていくしかない」。何よりも勝利が求められている。【浅水友輝】

〇…MFチャナティップが右ふくらはぎ負傷での離脱から、3戦ぶりに先発で復帰した。前半39分にはMFフェルナンデスからの右クロスにフリーで合わせる決定機は、惜しくも枠外に。後半1分のFWロペスの3点目の起点になるなど、定位置左シャドー(1・5列目)で後半17分に途中交代するまで故障を感じさせずに動き回った。