サガン鳥栖の守護神、GK朴一圭(31)は、無失点にも悔しさをにじませた。チームは開幕から6戦連続無失点と、96年の横浜F(当時)以来、25年ぶりにJ1記録に並んだが、笑みはなかった。

「6戦連続無失点には、正直なんとも思わないです。チームとしては勝った上で、無失点記録を伸ばしたかった」。

引いて守る相手に1点も奪えず、スコアレスドローに終わった。自身もコーチングや、時折、最終ラインでのボール回しの起点になるなど、守備の要として活躍したが、勝利という結果が残せなかったことが悔しかった。

5年ぶりのJ1九州ダービー。クラブの歴史としても、福岡とはいいライバル関係として競り合ってきた。クラブ存続の危機を乗り越えてサガン鳥栖となってからは常に優位な位置にいた。5年ぶりに福岡がJ1に戻ってきて実現した「九州ダービー」。その意味もGK朴は心得ていた。「スタジアムの熱気も違っていた。サポーターに対しても福岡に勝つのが大前提だったし、失点してでも勝ちにいくべきだという気持ちだった。勝利という結果で恩返ししたかった」。横浜でもプレーした経験を持つ守護神は、チームのレベルアップを求めた。次節は開幕7戦連続無失点のJ1新記録がかかるが、勝利しての快挙に全力を注ぐ。【浦田由紀夫】