無観客で開催された大阪ダービーは、両軍傷だらけのドローに終わった。セレッソ大阪はFW大久保嘉人(38)が前半途中で負傷交代するアクシデントに見舞われ、後半は先制しながら逃げ切りに失敗。ホームで1-1と引き分けた。

ガンバ大阪はPKで同点に追いつくのが精いっぱい。開幕8戦でわずか1勝、総得点2の深刻な状況が続く。

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C大阪は勝ち点3を取り逃し、エースまで負傷交代という不運の大阪ダービーになった。今季5得点と好調だった大久保が、前半18分に左大腿(だいたい)部裏を負傷。1度はピッチに復帰したが、同23分に自ら交代を申し出て担架で運び出された。

「まだ正確な診断ではないが、筋肉系のけがです」とレビークルピ監督。肉離れだと、少なくとも2~3週間の離脱になる。同じ肉離れからMF坂元がこの日、復帰したばかり。オーストラリア代表FWタガートも初出場したが、6月で39歳になるベテランを失えば得点力低下に直結する。

勝負運にも見放された。後半29分、待望の先制点がFW中島から生まれた。だが8分後、痛恨のPKを献上。指揮官は「両軍のパフォーマンスを考えると引き分けは妥当な結果」と強がったが、前半にはFW豊川がPKを失敗。神戸から新加入で初出場したDFダンクレーは「相手はほぼチャンスがなかったのに」と悔しがった。

新型コロナの緊急事態宣言下にある大阪での無観客開催。本拠ヤンマーのバックスタンド1万席はピンク色に染まった。クラブが無観客対策で緊急発売した桜色のポンチョなどをサポーターが購入し、座席に巻き付けられた。売り上げは約1080万円。今季2点目の中島は「試合ができたことに感謝したい。今日は勝ちたかった」。痛み分けに終わり、大阪ダービーはC大阪の通算11勝7分け23敗となった。【横田和幸】

◆Jリーグとコロナ禍 今季はG大阪が3月に新型コロナウイルスの陽性者8人(選手6人、スタッフ2人)を出し、計6試合が中止。4月7日の広島戦で35日ぶりの試合再開も引き分け。現在もまだ1勝と苦しんでいる。柏も4月に6人の陽性者を出したが、保健所による調査の結果、クラブの活動は可能と判断され、抗原検査を実施した上で試合に臨んだ。最近では先月29日に名古屋のフィッカデンティ監督が陽性となり、川崎Fとの首位攻防戦のベンチに入れなかった。

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