FC東京のFWレアンドロ(28)の「肘打ち」が波紋を広げている。22日のホーム名古屋グランパス戦で、ブラジル代表歴もあるFWは後半にDF中谷進之介(25)の顔面に肘打ちをし、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)により1発退場となった。昨季もガンバ大阪戦で肘打ちなどで、3試合の出場停止処分を受けている。同様の行為に“被害者”中谷も怒りをあらわにし、レアンドロの同僚、DF長友佑都(35)がツイッターで謝罪する事態に。今回の処分は、Jリーグの規律委員会で決まるが、経緯と、ここに至る流れをおさらいしてみる。

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▽20年10月10日 G大阪戦の後半8分、レアンドロが競り合い後、相手の顔面付近に肘を当てた。その後も並走中の相手を殴打。ただ試合中の反則はなし。

▽10月13日 Jリーグの規律委員会で確認され「極めて悪質な行為」と判断され、3試合の出場停止と罰金30万円の処分が決定。

▽11月15日 名古屋戦で、背後からマークにきた相手選手の顔面に肘が入る。故意ではないと判定されるも、映像に残っており物議をかもす。

▽21年9月22日 名古屋戦の後半35分に、DF中谷にプレスをかけた際、顔面に肘打ち。1度は流されたが、VARによる確認でレッドカードとなった。試合後、中谷は「去年から何度もやられている。選手は分かっている。今年、1試合出場停止では物足りないのかなと思う」と、怒る。東京の長谷川監督は「かばうつもりはない。許されざる行為で、レッドカード相当。ただ報復ではなく、勢い余ってやってしまったということだと思っている。本人は『2度とやりません』と反省している」と釈明。

▽9月23日 一夜明け、今夏東京に復帰した日本代表DF長友がツイッターでレアンドロについて「あるまじき行為だった。進之介、ファンの皆様本当に申し訳ありませんでした。レアンドロは反省していますが、今後このようなことが起こらぬように改善に努めます」などと謝罪した。

すると、今度は中谷もツイッターで、検査の結果骨に異常はなかったことを報告するとともに「昨日の会見に関して賛否両論あると思います。問題を表面化せず時間が解決するのを待つのが日本の社会。発言することで発言者が不利になるのでみんな意見を言わなくなる。昨日に関しては波風をたたせず、事に触れないという選択はできませんでした」「選手も故意か故意じゃないかはわかる。誇りあるJリーグを作り上げるために、もう一度リスペクトの気持ちと共に進んでいくべきだと感じています」などと、日本の社会の構造?? に踏み込んだ発言で、意見表明した。