アルビレックス新潟はアウェーでファジアーノ岡山と対戦し1-1で引き分けた。0-1の後半12分にFW谷口海斗(26)が2試合連続ゴールを奪い、何とか同点に追いついた。終盤は今季初出場のFW小見洋太(19)、DF長谷川巧(23)、MF大本祐槻(27)らが果敢に攻撃を仕掛けたが、勝ち越すことができなかった。

勝ち点62で順位は6位に後退。J1昇格圏の2位京都との勝ち点差は13に広がった。次節(11月3日)にも昇格の可能性が消滅する崖っぷちに立った。

エースの顔は悔しさに包まれた。3試合ぶり先発出場となった谷口は0-1の後半12分、MF高木からのパスを左サイドで受けるとドリブルで中央に切り込み、冷静に右足を振り抜いて同点ゴールを決めた。2戦連発となる今季13得点目。「相手の食いつき方、タイミングを見て、うまくコースに蹴れた。でも、勝利に結びつかずに残念」と得点が2戦連続で勝ち星につながらず笑顔はなかった。

逆転J1昇格に望みをつなぐためにも勝ち点3が欲しかった。「決定機はいくつか作り出したが、この日も決定力に欠いた」。アルベルト監督は振り返った。前節から先発5人を入れ替え、序盤からボールを保持して主導権を握ろうとしたが、前半16分にDFラインの背後を突かれて先制点を献上。早々にプランが崩れると、チームはパス回しのテンポが上がらず、ダイナミックに相手ゴール前に迫る姿勢は影を潜めた。

後半開始から高卒ルーキー小見と、左膝前十字靱帯(じんたい)の大けがから復帰した長谷川を投入すると徐々に流れを取り戻す。小見は谷口の得点シーンにパスで絡み、長谷川は持ち前の推進力を生かし何度も右サイドを攻め上がった。同18分から出場した大本もスピードに乗ったドリブルで相手ゴールを脅かしたが、決勝ゴールを奪うことはできなかった。

この日の引き分けで順位は6位に後退。中2日となる次節11月3日は首位磐田とホームで対戦する。「勝つためにいい準備をするだけ」とエースは気持ちを切り替えた。