J1清水エスパルスが今季初の連勝を飾った。後半ロスタイム、途中出場のMF中村慶太(28)が決勝ゴール。チーム屈指のテクニシャンの劇的な一撃で、来季のJ1残留へ大きく前進した。

引き分け濃厚と思われた一戦だったが、土壇場でスコアを動かした。エリア外の中村に横パスが入る。前後から複数の相手DFが詰め寄る中、足元のボールに対して素早く右足を振り抜いた。糸を引くような軌道でゴール左上へ。「時間をかけたらブロックされると感じ、ワンステップで打つと決めた」。冷静な判断に加えて、高度なテクニックが詰まった決勝ゴールとなった。

後半33分から、中村をピッチに送り出した指揮官の采配が的中した。平岡宏章監督(52)は「最低でも引き分け。チャンスがあれば得点を狙う中で、慶太の攻撃センスと高い技術を生かしたかった」。浦和戦で8年ぶりの白星を収めた。

最終節のセレッソ大阪戦に引き分け以上で自力での残留が確定する。「勝って残留を決めたい」と中村。残り1試合に全てを懸ける。【古地真隆】

▽得点経過 後半ロスタイム(清水)中村慶太