J2降格が決まっている大分トリニータが、前年度王者の川崎フロンターレを延長戦の末に下して、決勝進出を決めた。

前半途中から川崎Fが主導権を握ったものの、大分はGK高木を中心に集中高く守り続けた。44分にはFWレアンドロ・ダミアンのシュートがポストに直撃するなど、川崎Fが攻めながらもチャンスをモノにできないまま、前半を0-0で折り返した。

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後半も川崎Fが押し込んだが、大分も粘り強く戦った。37分にはFWマルシーニョが決定機を迎えたが、ここもGK高木の体を貼ったセーブに阻まれた。試合は0-0で90分が終了し、延長戦に突入した。

延長前半6分には大分FW渡辺が、10分には川崎F・MF脇坂が、それぞれシュートを狙ったが、ともに相手GKの好守で得点ならず。15分には川崎F・FW小林がフリーで決定機を迎えたが、シュートはわずかに右にそれた。

延長後半4分、なんとしても120分で決着をつけたい川崎Fは、MF小塚ら3人を投入。すると同8分、DF山根の縦パスに右サイドで反応した小塚が深い位置で折り返し、中央のFW小林が右足で合わせてようやく先制点を決めた。

しかし、これでは終わらなかった。川崎F・MF遠野の負傷退場により数的優位に立った大分は、一転してチャンスをつくった。すると延長後半ロスタイム、MF下田のフィードにDFエンリケ・ドレヴィザンが頭で合わせて、劇的な同点弾をたたき込んだ。

勝負はPK戦へ。5人では決着がつかず、サドンデスに突入して迎えた7人目で、後攻の川崎F・DF山根のシュートを大分GK高木がセーブした。片野坂監督の今季限りでの退任が決まっている大分は、劇的な幕切れで決勝進出を決めた。