静岡学園が歴史的な大勝で8強入りを決めた。前半だけで6得点。後半もさらに2点を追加し、13度目の出場で同校最多の1試合8得点を奪った。守備陣も80分間でシュート2本に抑え、3試合連続で無失点。今夏の全国総体以降に強化してきた守備力を発揮した。4強入りを懸けた4日の準々決勝では、関東第一(東京B)と対戦する。

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静岡学園の強みは多彩な攻撃だけではない。堅固な守備でベスト8進出をたぐり寄せた。前半12分までに2点リードを奪うと、守備陣の集中力はさらに研ぎ澄まされた。GK生嶋健太郎主将(3年)は「隙を全く見せないことを意識した」。素早い出足で相手を囲い込み、ボールを奪取。複数人が同時にプレスをかける守備を80分間続け、相手のシュートを2本に抑えた。

初戦から3試合連続無失点。好守がチームを支えている。昨年夏の全国総体準決勝では、優勝した青森山田に0-4。スコア以上の差を感じたのは守備の強度だった。川口修監督(48)は「青森山田の守備が基準になった」。選手に意識させたのは、球際での粘り強さと攻守の切り替え。指揮官が求めるレベルに達していない主力選手にも厳しく指摘し、練習に参加させないこともあった。

さらにメンバーは2週間に1回、「高地トレーニング」を実施。標高2500メートルの酸素濃度と同じ環境でトレーニングできる施設で、基礎体力も鍛えてきた。生嶋は「攻撃が注目されがちだけれど、守備も自分たちの武器だと思っている」。今大会3試合で許したシュートはわずか5本。攻守の歯車ががっちりとかみ合いながら、8強に名乗りを上げた。【神谷亮磨】

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