J2アルビレックス新潟のDF堀米悠斗(27)がグレードアップを繰り返し、左サイドを制圧する。2日間のオフが明けた9日は聖籠町での練習に参加。ミニゲームでは試合と同様、アグレッシブなプレーでチームの士気を高めた。開幕のベガルタ仙台戦(2月20日、0-0)から全試合フル出場を続ける不動のサイドバッグ(SB)は今季もハイパフォーマンスを披露。13日アウェー・ブラウブリッツ秋田戦でも超攻撃的な姿勢を貫き、初勝利をたぐり寄せる。

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左サイドの崩しを担うレフティーが“危険な匂い”を漂わせながら攻撃参加を繰り返す。この日の最後に行われたミニゲーム。堀米は果敢な攻め上がりから低弾道のクロスや鋭いシュートを連発。守備でも激しいボール奪取を見せて練習を盛り上げた。「3戦勝ちがない状況でもポジティブに(練習に)取り組めている。さらに勢いが増すようにプレーや声で引っ張りたい」と頼もしい言葉を並べた。

相手守備陣の状況、局面に応じてポジション取りを柔軟に変える「いやらしいSB」。タッチライン際を駆け上がることに加え、相手SBとボランチ間にできるスペースでパスを引き出して内側の崩しの拠点を作る。左でコンビを組むMF本間との連係も抜群。後方からのフリーランや声でもサポートする。「もっと相手が難しくなるような『つかみどころのない選手』になっていきたい。毎日の練習、試合で意識している部分」。プロ生活10年目を迎えても向上心が尽きることはない。

近年は各チームが得意の左足キックを封じにくるが、逆足に苦手意識はなし。ホーム開幕となった5日山口戦(1-1)では試合終盤に正確な右足クロスを配球。FW谷口を経由しMF伊藤のシュートを引き出した。「少し浮いたが狙った通り。サイドだけ、中央だけの一辺倒な崩しだけでなく、あのような連係も出していきたい」と手応えを口にする。

開幕から3戦連続で引き分け中の新潟にとって、秋田戦は今季初勝利が懸かる一戦となる。「毎年(高知)キャンプで練習試合をやっている相手だがリーグ戦では印象がガラッと変わる。先制点を取って優位に進めたい」と気合を入れた。【小林忠】