福島で10代の若きイレブンが躍動した。日本高校選抜は関東大学選抜Bと1-1で引き分けた。0-3で敗れた初戦の東海大学選抜戦で出番のなかったFW松永颯汰(静岡学園3年)が、前半終了間際に技ありの同点弾。東北勢はMF藤森颯太とMF田沢夢積(ゆづむ、ともに青森山田3年)が、初戦と同様に45分ずつ出場した。U-21日本代表候補のDFチェイス・アンリ(尚志3年)は、後半33分から途中出場。本職のセンターバック(CB)ではなく、FWでプレーした。

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高校選抜の背番号「9」が、値千金の同点弾を決めた。0-1の前半44分、松永はペナルティーエリア内で相手がヘディングでクリアしたこぼれ球を、右足ダイレクトボレー。「勝負の世界なので、負けないように、結果を残してやろうと思っていた。1発決められて良かった」。低い弾道でゴール右隅に突き刺さり、今大会チーム初ゴール。「ヨッシャー」と雄たけびをあげ、追い上げムードを作った。

後半開始から出場した藤森は、決定機を逃して悔しがった。後半35分、相手がクリアしたボールを左足で狙うも枠外となり、「ファーストタッチで中に行けたら選択肢が広がった」と反省。同42分、ロングパスに抜け出すと、ボールを浮かせてGKをかわしにいったが、DFにカバーされ、シュートまで持ち込めなかった。「抜くか、シュートを打つかの迷いがあった。点を決めてたら試合展開が大きく変わっていたので、チームにも個人的にも失敗だった」と振り返った。

U-21日本代表候補トレーニングキャンプに参加していたアンリがチームに合流し、本職のCBではなく、FWで12分間出場した。187センチ、80キロの高校生離れした肉体を生かし、ポストプレーでチャンスメークするなど、短い時間で攻撃にアクセントを加えた。

ドローに終わったが、大学生相手に互角以上の戦いを演じた。「迫力あるプレーができた」と松永。11日は予選リーグ最終戦でU-20全日本大学選抜と激突する。確かな手応えを初勝利につなげる。【山田愛斗】