ヴィッセル神戸が20日、就任3年目の三浦淳寛監督(47)の契約解除を発表した。後任は未定。

前日19日の清水エスパルス戦を0-0で引き分けて、クラブワーストを更新するJ1開幕7戦未勝利(4分け3敗)。一夜明けたこの日、同監督とクラブが話し合い、結論に達した。23日までオフに入った選手らには発表前、クラブから連絡したという。

スター軍団ともいわれる神戸は、Jリーグ内でも監督に求めるレベルは高く、厳しい。

ドイツ人のフィンク前監督が20年9月に途中退任した際も、直近は4分け3敗で7戦未勝利と数字上は今回とまったく同じだった。同前監督は、前年度の天皇杯でクラブを初優勝に導いた功労者だった。

三浦監督も20年の就任直後、ACLで初出場ベスト4の快挙を遂げ、昨季はJ1でクラブ史上最高の3位へと躍進させた。選手へのアプローチがうまく、伸び悩んでいたDF初瀬、MF中坂、佐々木らに意識改革を促した上で戦力へと成長させた。

監督就任前は、強化の最高責任を負う取締役スポーツダイレクターの立場で、バルセロナからイニエスタを迎え入れる交渉に携わっていた。フィンク前監督の緊急退任で初めて指導者に挑戦した三浦監督は、この1年半でJ1通算25勝15分け19敗の成績。

中規模以下のクラブでは合格点かもしれないが、アジアNO・1を目指し、Jリーグなど目の前の結果を常に重視される神戸では、今季開幕直後からFW武藤ら故障者が続出したことも、体制を維持する理由とはならなかった。

15日のアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)プレーオフは延長の末に制したものの、悲願の優勝を目指す上で4月中旬に迫った1次リーグへ、また、J1残留争いから早い段階で脱出するため、クラブはこのタイミングが最善だと判断したとみられる。