ガンバ大阪加入3年目のGK一森(いちもり)純(30)が1日、オンライン取材に応じ「感謝」の思いを口にした。

J2ファジアーノ岡山から20年に移籍後、今年3月26日のルヴァン杯鹿島アントラーズ戦(カシマ)で、トップチーム初出場を先発で飾った。

「あのピッチに立つまで、いろんな人に支えてもらった。感謝の気持ちしかなかった」

G大阪では絶対的守護神の東口の存在があり、20年はJ3が主戦場。左肩の脱臼もあった。昨年は3月の練習中に左大腿(だいたい)部を負傷し、保存治療を目指したが、最終的な判断で9月に手術。公式戦に一切、出られなかった。ドクターやトレーナーら周囲に支えられ、今季ようやく復帰できた。

「(リハビリは)正直、しんどかった。コロナ禍で気分転換もできず、ACLでチームが遠征中も大阪に残り、クラブハウスとの往復で考えることは多かった」という一森だが、「自分より難しい状況の人はいて、へこたれてたらあかんなと思った。少しでも元気とか、パワーを与えられる選手になって、復帰しようと思った」という。

現在は東口が故障で長期離脱中だ。「ヒガシさんには、いろいろ声をかけてもらっていたので、今度は僕が責任感を持ってやっていきたい」。

2日の名古屋グランパス戦のピッチに立てれば、プロ入り後はJ1初出場となり、ホームのサポーターに待望のプレーを披露できる。

「0で抑えて勝ちきりたい。ホームでは絶対に負けてはいけない。ホームで勝てるチームは強い」

大阪・泉佐野市生まれで、日本代表MF南野拓実らを輩出した大阪のゼッセル熊取FC出身。セレッソ大阪下部組織、関学大、レノファ山口FC、岡山を経てG大阪にたどり着いた苦労人は、「ピッチに立つありがたみは、分かっていたつもりだが、忘れがちになってしまう。一番大切な部分。試合前に思い返して入ろうと思う」。