WEリーグ初代女王になったINAC神戸で、唯一のプロ高校生がFW浜野まいかだ。

開幕戦で衝撃の2得点デビューを飾った新星は、9日が18歳の誕生日。この1年の思いを手記として日刊スポーツに寄せた。既になでしこジャパン候補入りを経験し、次の目標は来夏の女子ワールドカップ(W杯)出場だ。

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優勝決定の瞬間を、ピッチ上で迎えられました。本当に応援、ありがとうございました。開幕戦(21年9月12日、大宮戦)の2得点の後、学校の友人から「ニュース見たで」と多くの連絡をもらいました。WEリーグでないと、こんな経験はできませんでした。

一方で後半戦から出場時間が減り、14試合2得点では個人の結果は残せていません。課題が多く、いろんな感情が詰まった優勝です。

前線への飛びだしは私の特長ですが、どこからでもゴールを狙える選手になりたい。メッシやアザールの映像をよく見るし、私と同じ17歳のバルセロナのガビが、やばくないですか? いいとこ取りの精神で、来年の女子W杯出場を目指します。

私にはC大阪下部組織(小学校)時代からの同期で、同じ高校3年の北野颯太という友人がいます。颯太も17歳で今季からC大阪でプロ契約を結び、ルヴァン杯で2ゴールを決めています。当時ボランチだった颯太は今、ガツガツしたFWに成長しています。私も負けていられません。

昨年8月、私はC大阪堺からINAC神戸へ移籍してプロになりました。今年から寮に入り、生活のすべてを練習にあて、自覚と責任が増えました。プロの道を選んだ決断に後悔はありません。身長は公式プロフィルよりさらに伸びて、今は165・6センチです。まだまだ成長していきます。(INAC神戸FW)

 

◆浜野(はまの)まいか 2004年(平16)5月9日、大阪・高石市生まれ。小学4年でC大阪下部組織のエリートクラスに合格し、男子と同じチームでプレー。中学2年でC大阪堺に昇格し、なでしこリーグ1部デビュー。19年U-16アジア女子選手権で得点王獲得。21年3月に16歳でなでしこジャパン候補合宿に招集。現在は兵庫県内の通信制高校に在籍。165センチ、50キロ。

◆INAC神戸レオネッサ 01年創立。「INAC」はインターナショナル・アスレチック・クラブの略称。「レオネッサ」は雌ライオンを意味し美しく力強さを表す。本拠地はノビエアスタジアム神戸。05年、日本女子サッカーリーグ(当時Lリーグ)へ加盟すると、1年で2部優勝を果たし1部へ昇格。10年度、前日本女子サッカー選手権大会(現皇后杯)で優勝すると、11年度にはリーグ初優勝。リーグ3回、皇后杯6回の優勝経験を誇る。