セレッソ大阪の17歳、アマチュア選手のMF石渡(いしわたり)ネルソン(17)が、早ければ18日のルヴァン杯1次リーグ最終節の大分トリニータ戦(昭和電ド)で公式戦デビューすることが15日、分かった。C大阪は既に1次リーグ突破を決めており、金の卵が初お披露目されそうだ。

ナイジェリア人の父、日本人の母を持つ石渡は、日本国籍を持つユース(U-18)所属の高校2年生。既に年代別日本代表にも選ばれる185センチの大型ボランチで、身体能力に加え、スケールの大きなプレーが魅力だ。数年後には、A代表入りが期待される。

体調の問題などで、ルヴァン杯大分戦でデビューできなかった場合、6月1日の2回戦から登場する天皇杯も候補になる。

1月の宮崎キャンプに抜てきされた石渡は、2月にJリーグの公式戦出場が可能となる2種登録が完了。4月からは本格合流し、5月10、11日に一般公開された練習のミニゲームでは、主力に混じって堂々とプレーした。宮崎キャンプ当時からフィジカルも強化され、体はひと回り大きくなっていた。

C大阪で「ネルソン」といえば、前身ヤンマー時代からのオールドファンは、ブラジルから67年に来日したネルソン吉村さんを思い浮かべる。

日本リーグ初の外国籍選手としてヤンマーに入団。70年に日本国籍を取得して「吉村大志郎」に。MFやFWで活躍し、ボールタッチの柔らかさから、ついた愛称は「ネコ」。引退後のC大阪では主にスカウトを担い、国見から大久保嘉人の入団を実現させた。03年、56歳の若さで他界した。

05年に京都で生まれた石渡はもちろん、レジェンドとの接点はない。それでも、天性の柔らかいボールタッチなど共通点はある。吉村さんの下でスカウト補佐をしていた小菊昭雄監督(46)が、その石渡を指導するのも何かの縁だ。

吉村さんが亡くなって約19年。時代やポジションこそ違うが、令和に現れた石渡ネルソンが、C大阪の新たな歴史をつくるかもしれない。【横田和幸】

◆石渡(いしわたり)ネルソン 2005年(平17)5月10日、京都府生まれ。西京極JSC、C大阪西U-15、同U-18に進み、今季から2種登録でトップチームに。背番号37。20年にU-15日本代表、21年にU-16日本代表候補に。現在は大阪の私立興国高2年に在学中。愛称「ネル」。同じユース所属だった1学年上のFW北野颯太が今季からプロ契約を結ぶ。185センチ、71キロ。