温暖な香川で劇的勝利を収め、再び首位に躍り出た。いわきFCがアウェーでカマタマーレ讃岐に2-1で逆転勝利。Jリーグ参入後初の3連勝を飾った。DF日高大(27)が1点を追う後半開始直後に「Jリーグ初ゴール」を決めると、FW有馬幸太郎(21)が同終了間際に4試合連続ゴールとなる決勝点を挙げ、歓喜をもたらした。

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リーグ最多得点、最少失点のいわきが、上位の実力を見せつけた。前半は讃岐に5試合ぶりの得点となる先制点を許して折り返したが、レフティーの一蹴で追いついた。後半3分、日高のゴール中央からの左足フリーキックが、弧を描きながら壁を越え、直接ゴールに吸い込まれた。MF岩渕弘人(24)と抱き合い、チームメートに囲まれ、自然と顔がほころんだ。

試合は膠着(こうちゃく)状態となり、1-1のまま迎えた後半ロスタイム。土壇場で背番号「10」が勝負強さを発揮した。左コーナーでDF嵯峨理久(24)がショートコーナーを選択し、再びボールを受けると右足でクロス。ニアサイドにいた有馬がヘディングで決勝ゴールを決めた。「嵯峨から本当にいいボールが来て。僕はただボールに当ててゴールに持っていこうという意識でやった。たまたまいいところに飛んで本当に良かった」と振り返った。

Jリーグ参入初年度で快進撃を続ける。ここまで12試合を戦い、8勝3分け1敗で首位。積み上げた勝ち点「27」は、3位松本とは2点差。4位富山とは5点差になった。さらに、リーグ戦の負けなしは4月29日ホーム八戸戦から「6」まで伸びた。気温29・2度が観測されたピッチで、3連勝に貢献した有馬は「とてもうれしい」と語った。

次節は1週間後の19日ホーム北九州戦。「自分たちがやることは1試合1試合変わることはない。常に走って相手より戦って…。100%、120%の準備をここからしていくだけ」と心強かった。夏に向かっていくシーズン中盤。「いわき旋風」は終わらない。