大槻毅監督(49)率いるJ2ザスパクサツ群馬が、前年度覇者の浦和レッズを1-0で下した。大槻監督にとっては、かつて指揮した古巣を撃破した。

群馬は防戦一方の時間を耐え忍び、ワンチャンスをものにした。前半35分、右サイドをDF岡本がドリブルで駆け上がり、FW高木彰人(24)が放ったシュートは浦和ゴールを突き刺した。

後半も幾度と攻め込まれたが固い守備でゴールを割らせず。隙あらばカウンターを仕掛け、1点を守り抜き勝利をつかんだ。

浦和時代はその風貌から「大槻組長」と親しまれた。トレードマークのオールバックからツーブロックへと変わったが、鋭い眼光に選手を鼓舞する声は全く変わらなかった。

試合前に大槻監督の名前がコールされると、群馬だけでなく浦和のサポーターも拍手を送った。かつて一緒に戦ったMF関根も「いろんな話ができたらいいなと思います」とこの日の再会を心待ちにしていた。

21年から群馬の監督に就任するまで、12~20年の長きにわたり浦和を強くするために人力。ユース監督時代には浦和の主力となったMF関根らを育て、トップチームの危機も救った。18年4月に当時の堀監督が成績不振で契約解除されると、暫定監督に就任。オリベイラ監督にバトンを渡すまで、4勝2敗と負けなしだった。19年に今度はオリベイラ監督が5月に解任されると、再びチームを率いた。20年に契約満了で退団するまで、浦和に心血を注いできた。

赤いサポーターを泣かせる白星。変わらぬ熱さとたくましさでつかみ取った。