帰ってきた清水の点取り屋が浮上への救世主になる。オーストリア1部・ラピッド・ウィーンからJ1清水エスパルスに完全移籍で加入したFW北川航也(25)が23日、本拠地IAIスタジアム日本平で加入会見に臨んだ。下部組織出身の生え抜きは、2019年以来3年ぶりの古巣復帰。「試合に出て結果を残すことだけだと思っている」と力を込めた。

オーストリアでは3シーズンでリーグ戦49試合に出場し、5得点。ケガの影響もあり、思い描いていた結果は残せなかった。再起を誓って新たな移籍先を模索する中で、芽生えたのは清水への思いだった。「もう1度オレンジのユニホームを着て日本平のピッチに立ちたかった」。夢だった海外挑戦は不完全燃焼に終わった。ただ、挑戦したことで見えたこともある。

「向こうで一番最初に求められるのはプレーの強度。そこができなければ試合には出られない」。普段の練習から本番さながらの激しいプレーが求められた。厳しい環境に身を置いた3年間の経験を清水に還元することも役目の1つだ。

会見後にはユニホーム姿で慣れ親しんだアイスタのピッチに立った。背番号は3年前の「23」から「45」に変更。数えると「2、3、4、5」になる。「夢の続きというか、このチームでやり残したことがまだある。右肩上がりに成し遂げたいという思いです」。背番号にも込めた強い決意で、清水に全てをささげる。【神谷亮磨】