サンフレッチェ広島は途中出場のMF川村拓夢(22)のJ1初ゴールなどで鹿島アントラーズを下した。試合後は広島の選手が川村を祝福し、川村が涙を流す場面もあった。

試合は拮抗(きっこう)した展開が続いていたが、広島は川村、DF野上、FWエゼキエウら途中出場の選手が躍動。得点はすべて、途中出場の選手から生まれた。5戦ぶりの白星に、広島のドイツ人指揮官のスキッベ監督は「長期離脱をしていた選手が戻ってきた。メンバー全員がいい状況にある。そのなかで、選手が変わっても、レベルが落ちずにプレーすることができると今日は証明できたと思う」と胸を張った。

77年前の8月6日、広島に原爆が投下され、数多くの命が奪われた。試合前は平和を祈念し、黙とうがささげられた。スキッベ監督は「77年前の悲劇は長い人類の歴史の中でも悲しい出来事だと思っている。こういう日に、広島の人たちが試合を見て勇気づけられるのは素晴らしいことだと思う」と特別な日の勝利に喜びもひとしおだった。