J1最下位に沈むヴィッセル神戸は、13日から残り10試合となったリーグ戦の日程が始まる。主将MFイニエスタが以前に「残りは、どれも決勝戦のつもり」と決意表明していた通り、今後は残留か降格かに直結するようなシビアな戦いが続く。

13日は11位北海道コンサドーレ札幌とアウェーで対戦する。12日午前、神戸市内で調整した吉田監督はオンライン取材に応じ、今後の星勘定について「10試合なので5試合、半分は勝たないといけない。状況は変わっていない」と、6月下旬の就任当初から同様のコメントを残した。

本来はアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)優勝がクラブの最大の目標でもあったが、今季途中からはJ1残留に軌道修正している。

実際に10日のルヴァン杯準々決勝第2戦のアビスパ福岡戦には、イニエスタやFW大迫、GK飯倉を福岡遠征に同行させず、控え組中心で臨み、0-1の完敗。大会の敗退が決まった。今後もACL、天皇杯が控えているが、FW武藤、DF菊池ら故障者も抱え、戦力的にも無理がきかない状況だ。

さらに深刻なのは、監督交代が今季3度もあったチームには、試合中に意思統一ができていない場面が散見され、自陣でのミスや寄せの甘さが目立つようになっている。いかに改善できるかが、カギになる。

札幌戦は故障がちだった大迫が、2試合連続で先発する可能性が高い。前節セレッソ大阪戦で6試合ぶりに先発し、73分間プレーした大黒柱に関し、吉田監督は「予定よりも長く使ってしまい、多少のリバウンドはあったが、その後は普通にやっている。今回の試合に影響はない」と説明した。

吉田監督が就任した7月初旬は3連勝スタートを切れたものの、その後は下降線をたどり、現在は公式戦4連敗中。指揮官は「気の緩みもあったと思う。3連勝していけるのかなと。緩みだったり、アクシデントもあったと思う」と気を引き締めた。

この日、取材に応じたMF汰木も「結果がすべて。相手が嫌がるプレーが足りない気がする。最初から行けたら」という。

幸いにも最下位神戸の勝ち点21に対し、17位ジュビロ磐田と16位ガンバ大阪は22、15位清水エスパルスは24、14位湘南ベルマーレが25と、残留争いは混戦状態にあり、まだ希望はある。13日の札幌戦はその第1歩にできるか。スター軍団が運命のキックオフを迎える。