ヴィッセル神戸が3-2で横浜F・マリノスを下し、初出場で4強入りした前回20年に続くベスト8に進んだ。前半にMF佐々木がPKで勝ち越し点を決めるなど、J1で現在16位神戸が首位横浜を撃破する形となった。日本集中開催の今回は全て一発勝負で22日に準々決勝、25日に準決勝を行う。西地区との決勝は来年2月19、26日。浦和は19日に登場する。

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神戸が不遇な半年を乗り越え、日本勢対決を制してベスト8に進んだ。「我々は挑戦者。残り2試合とリーグ戦へつながっていく勝利」と吉田監督。舞台をACLに移し、リーグ16位に低迷する神戸が首位横浜に競り勝った。昨季3位のスター軍団が、本来の実力を発揮した。

前半7分にMF飯野が先制点を決め、今夏に鳥栖から移籍後は初得点。同点で迎えた同31分には、佐々木がPKを決めて勝ち越し。後半はFW小田のダメ押し弾で勝負を決定付けた。チーム全体の鋭い守備や、GK前川のスーパーセーブで逃げ切った。

佐々木は「横浜が相手ということではなく、僕らが目指しているのは優勝」と胸を張り、この日から8日間で準決勝までの3試合を勝ち抜く覚悟を示した。現在でこそJ1残留が優先となったが、本来はACL優勝がクラブにとって悲願の目標だった。

三浦、リュイス(暫定)、ロティーナの各監督が去り、吉田監督で今季4人目の指揮官。開幕から大迫や武藤らFW陣を中心に故障者が続出したが、ここにきて主力が復調。吉田監督就任後は公式戦4連勝と4連敗を重ね、MF山口が「攻守ともハードワークできたのが勝因」と振り返るように、原点に立ち返って走りきった。

この日、故障明けのMFイニエスタは出場機会こそなかったがベンチ入り。吉田監督は「試合に出られる状況にある」。ACLに初出場した前回20年にベスト4に進んだ神戸は、この大会を再出発点に完全復活する。【横田和幸】