川崎フロンターレ鬼木達監督(48)が12日、14日のアウェー名古屋グランパス戦に向けてオンライン取材に対応した。

この試合は7月16日に予定されていたが、当時、新型コロナウイルスの感染がチーム内で拡大していた名古屋が、保健所から活動停止の指導を受けたとJリーグ側に報告。エントリー資格を有する選手はいないものと誤信させ、試合の中止が決定されていた。

実際は保健所から指導を受けたものではなかった。結果的に名古屋にはJリーグからけん責、200万円の罰金が科せられた。鬼木監督は「こればっかりは、いろんな思いがある。難しいですね」と言い「選手にも言ったけど、正直な話、到底納得のいく話ではない」と、厳しい口調で語り出した。

鬼木監督 「納得のいく説明が、結果に関しては納得がいかない。名古屋の選手、スタッフ、サポーターが悪い訳ではない。クラブの中で起きていること。相手の姿勢は置いておいて、自分たちは正しいと思うことでやろうとしている。受け入れがたいものではあるけど、それでも、やると決まった以上、戦うことが示すべきもの」

全てはJリーグを思っての発言。「Jリーグに所属している身として、選手にリーグを引っ張っていこうと、魅力あるものを見せようという中で言うと、Jリーグを良くしていきたいと思う立場にある中、自分の立場は、声を上げる時は上げたい」とうなずいた。

今回の問題が起こり、関係者からは「これでいいの?」と連絡を受け取った。鬼木監督は「当事者にならないと声をあげられない。監督が言っていいものか葛藤はありましたけど、もしかしたらそれが自分の仕事なのかもしれない」。Jリーグに携わる者の1人して、思いを口にした。

一番苦しかったことは、選手への説明だった。「結果に対しては、受け入れます。ただ、結果までのプロセスは自分たちには分からない。説明は記事とかで見ますけど、選手を納得させて同じ方向で、同じ仕事をしていきたいというのがある。納得感がない中で、やらせることは難しい」。偽りのない、正直な思いだった。

川崎Fも新型コロナウイルスの影響を大きく受けたチームの1つ。7月30日のリーグ浦和レッズ戦、では、最大7人の控えに5人しか入れなかった。しかも、その内訳はGK3人、フィールドプレーヤー2人だった。それでも試合を行い1-3で敗れている。鬼木監督は「浦和もそうだけど、少ない人数の中でやって、当日も陽性者が出て、人数的にはギリギリ。変なやり方をすれば、試合を飛ばすこともできたのかもしれない。でも、それは、自分の中では、没収試合だなと思っていたし、できない」と言った。

その上で迎える、今回の一戦。「戦うことは大前提で、3連覇を目指すとか、一番ぶれていけないこと。こういうことに影響されてはいけない」。川崎Fは強く、正しく、ピッチに立つ。

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