J2ベガルタ仙台が長いトンネルをようやく抜け出した。アウェーで栃木SCに1-0で勝利。連敗を「5」で止め、8月6日金沢戦以来の勝ち点「3」を手にした。6日に就任した伊藤彰監督(49)にとっては2試合目の采配で初勝利となった。

勝利の立役者はFW中山仁斗(30)だった。0-0で迎えた前半35分。DF蜂須賀孝治(32)の左クロスにジャンプ一番。ヘッドで合わせ、ゴール左隅へ突き刺した。これでリーグ3位、チームトップのキャリアハイとなる14得点目。決勝点となる先制弾で6戦ぶりの白星をもたらした。中山は「ハチさん(蜂須賀)がニアに良いボールをくれたので、信じて飛び込むだけでした。決めれて良かったです」と納得の表情で振り返った。

栃木戦前の直近4戦ではわずか1得点。攻撃の歯車がかみ合わず、本来の姿は影を潜めていた。1-0で突入した後半は追加点こそ奪えなかったが、相手ゴールへ攻め込むシーンが目立った。守りではGK小畑裕馬(20)が好セーブを連発。再三の窮地を何度もしのいだ。中山は「5連敗していて、ふがいない結果でしたが、この試合『絶対に勝つんだ』という気持ちを持って試合に臨んだ結果だと思います」と胸を張った。今季も残り6戦、再び上昇気流に乗っていく。

「J1昇格」へ負けられない戦いが続く。現在は17勝12敗7分けでプレーオフ圏内(3~6位)の4位に浮上も、1敗が命取りになるほどのだんご状態。次節は18日、ホームで徳島を迎え撃つ。中山は「ここから全勝目指してやるだけです」と言葉に力を込めた。